Rocket Lab、米宇宙軍向けGEO通信衛星を製造へ―Viasatが採用
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2026年8月17日、衛星通信大手のViasatは、米宇宙軍(U.S. Space Force)が進める「Protected Tactical SATCOM-Global(PTS-G)」プログラム向けの静止軌道(GEO)通信衛星について、衛星バスの製造企業にRocket Labを選定したと発表した。

Rocket Labは、自社の衛星バスシステム「Lightning」をGEO向けに構成し、Viasatの通信ペイロードを搭載する。

本記事では、米宇宙軍が進めるPTS-Gの概要と、Rocket Labが製造するGEO通信衛星、さらにViasatがRocket Labを選んだ背景について考察する。

米宇宙軍の「PTS-G」とは

PTS-Gは、米宇宙軍が進める次世代の軍事衛星通信プログラムである。

本プログラムでは、商用の衛星設計や技術を活用しながら、より小型で短期間に製造できる衛星を導入し、世界規模で強靱な衛星通信網を構築することを目指す。

特に重視されているのが、通信妨害への耐性である。PTS-Gでは、Protected Tactical Waveform(PTW)などを活用し、通信が妨害される環境でも部隊が通信を維持できる能力を提供する。

今回Viasatが受注したのは、PTS-Gの最初の衛星群「Swarm 1」を構成する小型GEO衛星の1機である。Viasatは米宇宙軍宇宙システム軍団から製造契約を獲得しており、契約には衛星の製造、統合、試験、打ち上げ、軌道上での確認まで含まれる。

GEOとは

GEO(Geostationary Earth Orbit:静止軌道)は、赤道上空約3万6,000kmを周回する軌道。地球の自転と同じ周期で周回するため、地上から見ると衛星がほぼ同じ位置に留まり続けるように見える。

広い範囲を継続的にカバーできるため、通信衛星や気象衛星などで広く利用されている。

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Rocket Labが製造するGEO通信衛星

Viasatは、PTS-G向け衛星を開発するにあたり、衛星バスを製造する企業としてRocket Labを選定した。

Rocket Labが提供するのは、自社の衛星バス「Lightning」をGEO向けに構成した「Lightning-GEO」である。

衛星には、Viasatが開発するX/Ka帯通信ペイロードを搭載。衛星バスを構成する追跡・テレメトリ・コマンド通信を担う無線機、太陽光発電システム、スタートラッカー、リアクションホイール、飛行・地上ソフトウェアなどには、Rocket Labが自社で開発・製造する機器が活用される。

完成する衛星は、小型で軌道上での機動性を備える。また、Viasatの通信ペイロードとRocket Labの衛星バスを組み合わせることで、通信妨害に強く、競合環境でも米軍や同盟国が安全な通信を維持できる衛星システムを構築する。

衛星バスとは

衛星を動かすための基本機能をまとめた部分。電力供給、姿勢制御、通信、推進、熱制御などを担い、その上に観測機器や通信機器など、衛星ごとの目的に応じたペイロードを搭載する。

なぜViasatはRocket Labを選んだのか

Viasatはこれまでも、自社で通信ペイロードを開発し、他社が製造する衛星バスと組み合わせてGEO通信衛星を構築してきた。

例えば主力の「ViaSat-3」では、Viasatが通信ペイロードを開発し、Boeingが衛星バス「702MP+」を提供している。ViaSat-3は約6トン、30kWを超える電力を持つ大型GEO通信衛星で、大容量の通信サービスを提供することを目的としている。

一方、今回のPTS-Gで求められている衛星は性格が異なる。

PTS-Gでは、商用技術を活用しながら、より小型で短期間に製造でき、軌道上で機動可能なGEO衛星を整備する方針が示されている。

Rocket Labはこれまで、Lightningをベースに各ミッション向けの構成を展開しており、主要な衛星部品やソフトウェアを自社で開発・製造する体制も構築してきた。

Lightningは、Globalstar向け通信衛星や米国の安全保障向け衛星ですでに採用されている。Globalstar向けでは、Lightningをベースとする約500kg級の衛星17機を製造しており、同一の衛星バスを使った複数機の製造実績を持つ。

また、2026年5月には米宇宙軍向けGEO衛星2機の製造も受注しており、LightningのGEO向け展開を進めている。

こうした点から、既存プラットフォームを活用した製造体制や、GEOでの軌道変更・維持に対応できるLightningの構成が、PTS-Gが目指す「迅速に製造できる機動型GEO衛星」という方向性に合致した可能性がある。

さいごに

今回Viasatは、米宇宙軍のPTS-G向けGEO通信衛星の衛星バスとして、Rocket Labの「Lightning」を採用した。

PTS-Gでは、商用技術を活用しながら、小型で迅速に製造でき、軌道上での機動性や通信妨害への耐性を備えた衛星の整備が進められている。

Rocket Labはこれまで、Globalstar向け通信衛星や米国の安全保障向け衛星でLightningの採用・製造実績を積み重ねてきた。

今後は、PTS-G向け衛星の製造や打ち上げの進捗に加え、Rocket LabのLightningが安全保障分野やGEO衛星市場でどのように採用を広げていくのかにも注目したい。

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参考

Viasat Selects Rocket Lab to Build GEO Satellite for U.S. Space Force’s Protected Tactical SATCOM-Global Program(Rocket Lab, 2026-08-18閲覧)

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