
2026年5月15日、株式会社インフォステラ(以下、インフォステラ)は、JAXAの「小型実証衛星4号機(RAISE-4)」において、衛星システムメーカーとの提携を通じ、国内外の地上局利用に関する包括的な支援を提供したと発表した。
本記事では、同社によるRAISE-4支援の概要を整理し、衛星運用を支える地上局ネットワークやGSaaSの観点から、同社の強みを解説する。
目次
インフォステラによるRAISE-4運用支援
RAISE-4とは
RAISE-4は、JAXAの「革新的衛星技術実証プログラム」における小型実証衛星4号機である。
同プログラムは、大学や企業などが開発した新しい衛星技術を、実際の宇宙空間で実証する機会を提供する取り組みである。RAISE-4には、公募により選定された8つの部品・機器の実証テーマが搭載されており、軌道上でそれらの技術実証を行う。
RAISE-4はRocket Lab社のロケット「Electron」により、2025年12月14日(日本標準時)に打ち上げられ、予定通り軌道へ投入された。
インフォステラは、このミッションにおいてプロジェクト初期から長期間にわたり技術支援を継続してきた。

インフォステラが提供した支援内容
インフォステラがRAISE-4で提供したのは、衛星運用に必要な地上局利用に関する支援である。
地上局は、軌道上の衛星と地上をつなぐ、地上の通信拠点だ。衛星への指令送信、状態確認、データ受信などに使われ、衛星を軌道投入後も安定して運用するうえで欠かせない。同社は打上げ前の準備段階から運用に至るまで、主に以下の支援を行った。

特に注目されるのは、許可取得が難しいとされる海外の一部地域で、衛星運用に必要な無線局免許および運用許可の取得を支援した点である。
衛星運用では、技術的に通信できるだけでは不十分だ。各国の地上局を利用するには、使用する周波数の調整、無線局免許の取得、リモートセンシング関連の法規制への対応など、国ごとの制度を踏まえた準備が必要になる。
今回インフォステラは、現地パートナーを通じた当局との折衝や、衛星システムメーカーとの連携を進め、当該国の上空を通過する衛星と通信するために、地上局から電波を発射する無線局免許および運用許可の取得を支援した。
この事例は、地上局ネットワークサービスにおいて、単に通信機会を提供するだけでなく、制度対応や許認可支援まで含めた運用支援が重要な価値を持つことを示している。

インフォステラの強み
今回のRAISE-4支援から見えるインフォステラの主な強みは、以下の2つである。
1. 地上局ネットワークを一気通貫で支援
インフォステラの強みの1つは、衛星運用に必要な地上局ネットワークを、単なる通信インフラとして提供するだけでなく、運用に必要な周辺業務まで含めて支援できる点にある。
衛星運用では、軌道投入後も指令送信、状態確認、データ受信などのために、地上局との安定した通信が欠かせない。
特に低軌道衛星では、衛星が地球の周りを高速で移動するため、1つの地上局から通信できる時間は限られる。そのため、複数地域の地上局を組み合わせ、通信機会を確保することが重要になる。

ただし、地上局を利用するには、通信環境を整えるだけでは不十分である。周波数調整、無線局免許、各国の法規制対応など、運用に必要な制度面の準備も求められる。
今回のRAISE-4支援において、インフォステラは地上局ネットワークの提供に加え、無線局免許・周波数調整、接続試験、許認可対応、初期運用、定常運用まで幅広く支援した。こうした支援範囲の広さは、同社が地上セグメントを一気通貫で支えられることを示している。
2. GSaaSでグローバル運用を支援
インフォステラのもう1つの強みは、GSaaSを通じてグローバルな衛星運用を支援できる点である。
GSaaSとは「Ground Segment as a Service」の略で、衛星運用に必要な地上セグメントをサービスとして提供する仕組みを指す。インフォステラは、周回衛星向けのGSaaSプロバイダーとして、クラウド型地上局プラットフォーム「StellarStation」を提供している。
StellarStationは、所有者の異なる世界中の地上局を一つのネットワークとして活用できる仕組みである。衛星運用者は、自前で世界各地に地上局を整備しなくても、StellarStationを通じてグローバルな通信網にアクセスできる。
衛星運用者にとって、自前で世界各地に地上局を整備することは大きな負担となる。設備投資に加え、運用管理、通信インフラの確保、現地規制への対応などが必要になるためである。GSaaSを活用すれば、必要な通信機会を外部サービスとして利用でき、衛星開発やデータ活用などの中核業務に集中しやすくなる。
また、StellarStationは地上局オーナーにとっても利点がある。地上局の非稼働時間を他の衛星運用者に提供することで、新たな収益機会につなげられるためだ。
小型衛星や衛星コンステレーションの活用が広がるなか、宇宙ビジネスの競争力は、衛星を作る力や打ち上げる力だけでは決まらない。軌道投入後に衛星を安定して運用し、必要なデータを確実に取得する仕組みの重要性も高まっている。
さいごに
インフォステラによるRAISE-4支援は、衛星運用を支える地上局ネットワークサービスの事例である。
衛星の数が増え、利用領域が広がるほど、地上局ネットワークを柔軟に利用できる仕組みや、国ごとの制度対応を含めた運用支援の重要性は増していく。インフォステラの取り組みは、衛星ビジネスを地上から支えるインフラの広がりを示している。
同社は現在、複数のポジションで人材を募集している。興味のある方は、業界特化型の人材マッチングサービス「スぺジョブ」をぜひチェックしていただきたい。

参考
インフォステラ、JAXA「小型実証衛星4号機(RAISE-4)」衛星システムメーカーの衛星運用に係る地上局ネットワークサービスを提供(2026-05-16閲覧)











