QPS研究所、SAR衛星「ミクラ-Ⅰ」の打ち上げ・初交信に成功
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2026年8月6日、QPS研究所が開発・運用する小型SAR(合成開口レーダー)衛星QPS-SAR13号機「ミクラ-Ⅰ」が、Rocket Labの小型ロケット「Electron」によって打ち上げられた。

「ミクラ-Ⅰ」は打ち上げから約50分後にロケットから分離され、その約30分後には地上局との初交信にも成功した。衛星の各機器は正常に作動しており、状態も良好であることが確認されている。

本記事では、延期に至った経緯と打ち上げ・初交信の結果に加え、「ミクラ-Ⅰ」が投入された新たな軌道面の特徴、QPS研究所の衛星コンステレーション構築の進捗について解説する。

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小型SAR衛星13号機「ミクラ-Ⅰ」の打ち上げ・初交信に成功

リフトオフ直前の自動停止で約1カ月延期

QPS-SAR13号機「ミクラ-Ⅰ」は、当初、2026年7月1日10時(日本時間)に打ち上げられる予定であった。

しかし、リフトオフ直前にElectronの機体で自動停止シーケンスが作動したため、打ち上げは一時延期された。

その後、Rocket Labがデータ解析や原因箇所の点検・処置を実施。ロケットと関連設備の健全性が確認されたことから、打ち上げ日時は約1カ月後となる8月6日に再設定された。

打ち上げから約50分後に衛星分離、初交信にも成功

「ミクラ-Ⅰ」は、2026年8月6日18時18分(日本時間)、ニュージーランド・マヒア半島にあるRocket Lab Launch Complex 1から打ち上げられた。

QPS-SAR13号機の打ち上げ概要
QPS-SAR13号機の打ち上げ概要 ©Space Connect

打ち上げに使用されたのは、Rocket Labの小型ロケット「Electron」である。今回のミッションは「The Grain Goddess Provides(穀物の女神が恵みを与える)」と名付けられ、「ミクラ-Ⅰ」1機を搭載する専用打ち上げとして行われた。

QPS研究所の衛星をElectronで打ち上げるミッションは、今回が8回目の実施だ。

「ミクラ-Ⅰ」は打ち上げから約50分後にElectronから分離。その約30分後には地上局との初交信にも成功し、衛星の各機器が正常に作動していることや、衛星の状態が良好であることが確認された。

今後は機器の調整を続け、収納型アンテナの展開や初画像の取得を目指す。

なお、今回打ち上げられたのは13号機だが、QPS研究所では14号機「ヤチホコ-Ⅰ」と15号機「スクナミ-Ⅰ」が2025年に先行して打ち上げられている。

これは、衛星番号が実際の打ち上げ順ではなく、ロケットの打ち上げ契約手続きを行った順に付与されているためである。

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13号機投入でコンステレーション構築が前進

衛星コンステレーションは10機体制へ

「ミクラ-Ⅰ」は、QPS研究所が構築を進める小型SAR衛星コンステレーションを構成する衛星の1機である。

「ミクラ-Ⅰ」は現在、初期運用の段階にある。今後、アンテナの展開や初画像の取得、各機器の調整が順調に進み、運用機数に加われば、同社の衛星コンステレーションは10機体制となる。

QPS研究所は、世界中のほぼどこでも特定の地域を平均約10分間隔で観測できる、準リアルタイムデータ提供サービスの実現を目指している。

同社のSAR衛星は、地表へ電波を照射し、その反射波を解析することで地表の状態を観測する。太陽光を必要とせず、雲や雨などの影響を受けにくいため、夜間や悪天候時にも観測できる点が特徴だ。

衛星数が増えることで、同じ地域を観測できる機会も増加する。災害発生時の状況把握をはじめ、インフラ監視、海洋監視、安全保障など、時間とともに変化する地表の状況を捉える用途での活用が期待されている。

今回の「ミクラ-Ⅰ」の投入は、こうした観測体制の構築を前進させるものとなる。

世界の大型都市圏が観測範囲に多く含まれる

今回、QPS-SAR13号機が投入された軌道は、高度575km、軌道傾斜角42度の中傾斜軌道である。QPS研究所によると、このような傾斜軌道では、経済活動が活発な世界の大型都市圏が観測範囲に多く含まれる。

QPS研究所はこれまで、1つの軌道面に3機ずつ、12の軌道面に計36機を配置する計画を進めており、商用機となる3号機以降、同じ軌道面へ投入する衛星に共通の愛称を付けている。今回の13号機は新たな軌道面へ投入する1機目であることから、「ミクラ-Ⅰ(ミクラ・ワン)」と名付けられた。

「ミクラ」は、日本神話に登場し、穀物や食物、豊かさを象徴する神に由来する。今回のミッション名「The Grain Goddess Provides」も、この愛称にちなんだものである。

ミッションマークには、食物を保管する「倉」や耕作地の「畝」、実り豊かな稲穂などが描かれている。

同社は現在、拡大するSARデータ需要へ対応するため、独自の傾斜軌道を軸として、36機を大幅に上回る大規模コンステレーションへ計画を拡張している。「ミクラ-Ⅰ」は、新たな軌道面で観測体制を構築していく最初の1機となる。

今後の打ち上げ計画

QPS研究所は、2028年5月までに24機の小型SAR衛星を配置する計画である。さらに、2030年には衛星数を一層増やし、36機を大幅に上回る大規模コンステレーションの構築を目指している。

2026年7月30日には、Rocket Labと新たにQPS-SAR3機分の打ち上げ契約を締結した。発表時点では、既存の契約分と合わせ、今後計11機のQPS-SARをElectronで1機ずつ打ち上げる予定としていた。

また、「ミクラ-Ⅰ」に続くElectronの次回ミッションでは、QPS-SAR18号機「スサノオ-Ⅱ」が打ち上げられる予定だ。

打ち上げ時期は2026年8月後半以降で、高度575kmの中傾斜軌道への投入が予定されている。「スサノオ-Ⅱ」は、2025年3月に打ち上げられた9号機「スサノオ-Ⅰ」と同じ軌道面に投入される2機目の衛星となる。

QPS研究所はRocket Lab以外のロケット事業者とも調整を進めており、各衛星の打ち上げ時期や使用するロケットについては、決定次第公表する予定だ。

衛星の打ち上げが順次進むことで、QPS研究所の観測頻度やデータ提供能力がどのように向上していくのか、今後も注目される。

さいごに

約1カ月の延期を経て、QPS-SAR13号機「ミクラ-Ⅰ」は打ち上げと初交信に成功し、現在はアンテナ展開や初画像の取得に向けた初期運用が進められている。

「ミクラ-Ⅰ」は、新たな軌道面に投入された最初の衛星であり、運用機数に加わればQPS研究所の衛星コンステレーションは10機体制となる。

2026年8月後半以降には18号機「スサノオ-Ⅱ」の打ち上げも予定されており、今後も準リアルタイム観測の実現に向けたコンステレーション構築が進められる見通しだ。

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参考

QPS研究所,2026年8月6日(日本時間)にQPS-SAR13号機「ミクラ-Ⅰ」が打ち上げられ、初交信に成功しました

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