アストロスケール仏子会社、約23.6億円の契約獲得|OneWeb衛星を軌道離脱へ
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2026年9月11日、株式会社アストロスケールホールディングスは、フランスの連結子会社Astroscale France SAS(以下、アストロスケールフランス)が、衛星の軌道離脱実証ミッションに関する契約を獲得したと発表した。

契約額は1,320万ユーロ、同社換算で約23.6億円である。仏Exotrail、衛星通信事業者Eutelsatと共同で、2029年から2030年にかけてOneWeb衛星の軌道離脱を実証する。

本記事では、契約の概要や実証の流れ、3社の役割と今後の事業展開について解説する。

アストロスケール仏子会社が約23.6億円の契約を獲得

アストロスケールフランスが今回、契約を獲得したミッションは、フランスの国家投資計画「France 2030」の「In-Orbit Services – Mobility」プログラムに採択されたものである。

同社は2026年9月9日、フランスの宇宙モビリティ企業で、本ミッションの主契約者であるExotrailと契約を締結した。契約の概要は以下の通りである。

項目内容
契約先Exotrail
契約額1,320万ユーロ(税抜、約23.6億円※)
契約期間2030年まで(予定)
サービスEOL(運用終了後の衛星除去)
実証時期2029年~2030年

※円換算額は、2026年9月10日時点の1ユーロ=178.82円をもとに算出されている。

契約関係としては、Exotrailがプライムコントラクターとしてフランス国立宇宙研究センター(CNES)と契約し、アストロスケールフランスはサブコントラクターとして参加する。

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OneWeb衛星を使った軌道離脱実証の流れ

本ミッションでは、Eutelsatが運用する低軌道衛星群のなかからOneWeb衛星1機を対象として選定する。個別技術だけでなく、接近から軌道離脱までの一連の運用を確認する計画である。

接近・ドッキングから再突入までを実証

実証では、推進剤の枯渇やシステム不具合により、自力で軌道離脱できなくなった衛星を外部から安全に除去する能力の確立を目指す。

予定されている主な流れは次の通り。

  1. 低軌道上で、捕獲に必要な準備が施されたOneWeb衛星へ接近する
  2. サービス機と対象衛星をドッキングさせる
  3. 結合した状態で大気圏へ再突入する軌道まで移送する
  4. 両機を分離し、パッシベーションを行ったうえで自然再突入させる

パッシベーションとは、燃料や電力などの残存エネルギーを安全な状態にし、軌道上での爆発や破砕リスクを抑える処置である。

Exotrail・アストロスケール・Eutelsatの役割

本ミッションにおける各社の役割は以下の通りである。

企業主な役割
Exotrail主契約者として次世代サービス機「Spacevan」の設計・開発・製造・試験・運用を担当
アストロスケールフランスRPOおよびドッキングに関する技術や専門知見を提供
Eutelsat運用中のOneWeb衛星を提供し、対象衛星の選定や運用計画の策定に協力

RPOとは、宇宙機が対象物へ接近し、近傍で安全に飛行するための「ランデブー・近傍運用」を指す。アストロスケールがこれまでの宇宙ミッションで蓄積してきた技術の一つである。

アストロスケールフランスは、このRPOやドッキングの技術を提供。Exotrailはサービス機の開発、接近、ドッキング、軌道変更、分離、パッシベーションまで含む一連のサービスを主導する。

日仏連携がミッションの実行段階へ

アストロスケールとExotrailは以前から軌道離脱サービスの実現に向けた協力関係を進めており、今回の採択によって、その取り組みが具体的な実証ミッションへと移行する。

2026年4月の契約が具体化

両社は2026年1月、低軌道衛星のデオービット能力構築に向けた連携を発表した。さらに4月2日には、高市早苗総理大臣とフランスのエマニュエル・マクロン大統領がアストロスケール本社を訪問するなか、軌道離脱ミッションを開発する契約を締結している。

これまでの経緯については、以下の記事でも紹介している。

今回のFrance 2030への採択により、取り組みは事前検討からミッションの実行段階へ進むことになる。

複数年度で収益計上、継続的な軌道離脱サービスへ

アストロスケールによると、本契約は2027年4月期の連結業績予想には織り込まれていない。収益は2030年までの複数事業年度にわたって計上される予定で、現時点では業績予想への影響は軽微としている。

今回の実証で用いられるRPOやドッキング、高機動軌道制御は、衛星の点検や寿命延長、宇宙物流、重要な宇宙インフラの保護など、幅広い軌道上サービスの基盤となる技術でもある。

さらに、今回の実証は、単発の衛星除去にとどまらず、コンステレーションを対象とした継続的な運用終了サービスの実現につなげる狙いがある。OneWeb衛星を使った実証を通じて技術面と運用面の実績を積み、フランスや欧州で繰り返し提供できるサービスへ発展させられるかが今後の焦点となる。

さいごに

アストロスケールとExotrailが2026年初めから進めてきた軌道離脱サービスの取り組みは、France 2030への採択によって、実際のOneWeb衛星を使う実証段階へ進むことになった。

今回のミッションでは、Exotrailのサービス機とアストロスケールが持つRPO・ドッキング技術を組み合わせ、接近から軌道離脱、再突入までの一連の運用を実証する。2029年から2030年に予定される実証で運用実績を積み、フランスや欧州で継続的に提供できる軌道離脱サービスの実現につなげていくことになる。

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参考

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