QPS研究所とElevationSpace、H3で打ち上げへ  ライドシェア打ち上げ契約を締結
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2026年9月14日、株式会社QPS研究所と株式会社ElevationSpaceはそれぞれ、三菱重工業株式会社とH3ロケットによるライドシェア打ち上げ輸送サービス契約を締結したと発表した。

本記事では、両社のH3ロケットによる打ち上げ計画や、H3を利用するメリットについて整理する。

※ライドシェア:1機のロケットで複数社の衛星を打上げる形態

QPS研究所

H3ロケットにQPS-SAR 3機を同時搭載

QPS研究所は、同社が開発・運用する小型SAR衛星「QPS-SAR」3機をH3ロケットに同時搭載し、地球低軌道へ投入する計画である。

今回の契約は宇宙戦略基金の補助を受けて締結された。ライドシェア便の主要顧客の一つとして参加する予定で、具体的な打ち上げ時期は今後決定される。

QPS-SARの概要とコンステレーション構築

QPS-SARは、QPS研究所が開発する小型の合成開口レーダー(SAR)衛星である。

SARは電波を利用して地表を観測する技術で、雲や噴煙を透過し、昼夜を問わず観測できる特徴を持つ。

同社は2028年5月末までに24機、2030年にはさらに大規模なQPS-SAR衛星コンステレーションを構築し、平均10分間隔での準リアルタイム観測データ提供を目指している。

QPS-SARのイメージ
QPS-SARのイメージ(出典:QPS研究所/PR TIMES)

QPS研究所はこれまで、米SpaceXの「Falcon 9」や米Rocket Labの「Electron」など海外ロケットを利用してQPS-SARを打ち上げてきた。

直近では2026年8月、QPS-SAR13号機「ミクラ-Ⅰ」と18号機「スサノオ-Ⅱ」をRocket LabのElectronで相次いで打ち上げた。また、同社はRocket Labと複数機のQPS-SARについて専用打上げ契約を結んでおり、複数のロケット事業者を活用しながら衛星コンステレーションの構築を進めている。

今回H3で3機を同時に打ち上げる契約を結んだことで、コンステレーション構築に向けた新たな打ち上げ手段を確保したことになる。

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ElevationSpace

ELS-R 2号機をH3で打ち上げへ

ElevationSpaceは、同社が開発する宇宙環境利用・回収プラットフォーム「ELS-R」の2号機を2027年にH3ロケットで打ち上げる計画だ。

今回の契約は、H3のライドシェアミッションの打ち上げ時期や投入軌道の条件と、ELS-Rの開発・実証スケジュールが合致したことで締結に至ったという。

ELS-Rの概要と1号機の打ち上げ

ELS-Rは、宇宙空間で実験や実証、製造を行った後、その成果物を地球へ持ち帰るための宇宙環境利用・回収プラットフォームである。

微小重力環境を活用した材料開発や創薬、宇宙実験・製造などでの利用が想定されている。

ELS-Rのイメージ
ELS-Rのイメージ(出典:ElevationSpace/PR TIMES)

ELS-R初号機「あおば」については、2025年3月にドイツのIsar Aerospaceと打ち上げ契約を締結しており、同社が開発するロケット「Spectrum」を利用する。現在は2027年以降の打ち上げが予定されている。

ElevationSpaceは今回のH3との契約について、信頼性と品質を備えた打ち上げ手段を確保したとしている。初号機「あおば」で利用するSpectrumに続き、H3による実証機会を確保することで、より汎用的な宇宙環境利用・回収プラットフォームの構築を目指す方針だ。

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H3ロケットで打ち上げるメリット

H3を新たな打ち上げ手段として確保することで、衛星や宇宙機の事業者は、打ち上げ時期や投入軌道などの条件に応じてロケットを選択できる幅が広がる。複数の打ち上げ手段を持つことは、継続的な衛星投入や実証計画を柔軟に進めるうえでも重要となる。

また、三菱重工が提供する打上げ輸送サービスでは、ロケットの製造だけでなく、衛星とロケットの接続条件の調整や工程管理、射場での衛星準備支援、打ち上げまでを一貫して担う。顧客ごとに担当者を配置し、宇宙関連メーカーやJAXA、関係省庁などとの調整も三菱重工が行うため、顧客側は打ち上げに関する窓口を一本化できる。

H3は鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられるため、国内企業にとっては国内から宇宙へアクセスできる点も特徴となる。海外ロケットを利用する場合に必要となる海外射場への輸送や輸出入の手続き、現地での調整などの負担を抑えられる可能性がある。

国内から利用できるH3が選択肢に加わることで、海外ロケットも含め、それぞれのミッションの時期や条件に応じた打ち上げ手段を選びやすくなるのである。

さいごに

QPS研究所はQPS-SAR 3機、ElevationSpaceはELS-R 2号機について、それぞれH3ロケットによるライドシェア打ち上げを計画している。QPS研究所は打ち上げ時期を今後決定する予定で、ElevationSpaceは2027年の打ち上げを予定している。

QPS研究所は衛星コンステレーションの構築、ElevationSpaceは宇宙環境利用・回収サービスの実現に向けて開発を進めている。今回のH3との契約が、それぞれの計画をどのように前進させていくのか注目される。

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参考

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