アストロスケール英国、英国国防省から約31億円の防衛案件を受注
©Space Connect

2026年9月30日、株式会社アストロスケールホールディングスは、英国連結子会社のAstroscale Ltd(以下、アストロスケール英国)が、英国国防省から新たな防衛案件を受注したと発表した。

本記事では、今回発表された契約の内容と、同社が英国で進める防衛宇宙分野の取り組みについて紹介する。

アストロスケール英国、英国国防省から約31億円を受注

今回、アストロスケール英国が契約を締結した相手は英国国防省である。

契約金額は1,500万ポンド(約31.2億円※)。2026年9月29日(英国時間)に契約が締結された。

今回の契約でアストロスケール英国が提供するサービスについては、英国国防省側の要件に基づき非開示となっている。

契約期間は複数年にわたる予定で、アストロスケールは今後、複数の事業年度にわたって収益を計上する見通しだ。

また、今回の契約はアストロスケールの2027年4月期通期の連結業績予想には織り込まれていない。同社は現在、業績予想への影響を精査している。

※2026年9月29日時点の1ポンド=208.54円を基準に日本円に換算

宇宙業界の人材マッチングサービス スぺジョブ 広告バナー
[PR]

英国で進むアストロスケールの防衛宇宙事業

アストロスケールはこれまでにも英国国防省関連の宇宙プロジェクトを受注している。

2022年には、英国国防科学技術研究所(Dstl)、英国宇宙庁(UK Space Agency)、国防・安全保障促進機構(DASA)が共同で進める「Space to Innovate Campaign – Bravo Drop」に採択され、19万6,466ポンドの契約を獲得。

同プロジェクトでは、衛星から別の宇宙物体を撮影する際に、ハイパースペクトル画像やマルチスペクトル画像を活用できるかを検証した。

さらに、2025年6月には、英国国防省の執行機関である国防科学技術研究所(Dstl)から、515万ポンドの「Orpheus」ミッションに関する契約を獲得。

Orpheusは、宇宙天気への理解を深めるとともに、英国の宇宙領域把握能力を向上させることを目的としたミッションである。アストロスケール英国が2機の小型衛星を運用し、低軌道で編隊飛行させながらデータを収集する計画で、2027年の打ち上げが予定されている。

このようにアストロスケールは、宇宙空間の監視に関する技術研究から、実際に衛星を運用する宇宙領域把握ミッションへと、英国の防衛宇宙分野で取り組みを広げてきた。

英国は宇宙の防衛・安全保障への投資を強化

英国では、宇宙を防衛・国家安全保障の重要な領域と位置付け、関連する能力の強化を進めている。

2026年9月に発表した「UK Space Strategy」では、防衛、国家安全保障、経済成長を柱に、2030年までに78億ポンドを宇宙分野に投資する方針を示した。重点分野には、衛星通信のほか、宇宙空間の物体や活動、脅威などを把握する宇宙領域把握(SDA)、軌道上で衛星の点検・修理・移動などを行う軌道上サービス・組立・製造(ISAM)などが挙げられている。

特に宇宙領域把握では、衛星やスペースデブリの追跡だけでなく、衛星への脅威や軌道上の活動を把握し、防衛上の判断につなげる能力の整備を進める。英国政府は、民間・防衛双方の宇宙監視を担う「National Space Operations Centre」に8,500万ポンドを投じる計画を示している。

さらに英国国防省は、2026年度から2029年度にかけて、宇宙からの情報収集を行うISR(情報・監視・偵察)や、英国・同盟国の宇宙空間での行動の自由を確保する「Space Control」に8億8,000万ポンドを投資する計画である。

英国で防衛宇宙分野への投資が拡大するなか、関連技術を持つアストロスケールにとっても、英国での事業機会が広がっていく可能性がある。

さいごに

アストロスケール英国は、英国国防省から1,500万ポンド、約31.2億円の新たな防衛案件を受注した。

英国が宇宙を防衛・国家安全保障の重点分野として位置付ける中、アストロスケールが英国でどのような防衛宇宙事業を拡大していくのか、今後の発表が注目される。

宇宙業界では現在、様々な企業が人材を募集している。興味のある方は業界特化型の転職プラットフォーム「スペジョブ」をぜひチェックしていただきたい。

スぺジョブ

参考

アストロスケール 公式発表

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

フォローで最新情報をチェック

おすすめの記事