三井住友海上、JAXAと宇宙旅行保険を開発|サブオービタル旅行者を補償
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2026年3月11日、三井住友海上火災保険株式会社(以下、三井住友海上)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で開発した民間宇宙旅行者向けの保険を、2026年4月から開始すると発表した。

本記事では、三井住友海上が提供する宇宙旅行保険の概要や補償内容、そして宇宙旅行市場の動向についてご紹介する。

三井住友海上が宇宙旅行保険を提供

サブオービタル宇宙旅行向け保険

2026年4月から提供される保険は、サブオービタル宇宙旅行を対象とした商品である。

サブオービタル宇宙旅行とは、ロケットなどの宇宙船で高度約100km付近の宇宙空間まで到達し、地球を周回することなく地上へ帰還する飛行形態を指す。宇宙空間で数分間の無重力体験を楽しむことができるほか、宇宙から地球を眺める体験ができる新しい観光サービスとして注目されている。

今回の保険では、旅行者が自宅を出発して宇宙旅行を体験し、再び自宅に戻るまでの一連の旅行行程が補償の対象となっており、宇宙旅行中に発生するケガや疾病だけでなく、地上での移動中に発生した事故なども含めて補償される仕組みとなっている。

三井住友海上とJAXAが共同開発したサブオービタル宇宙旅行向け保険の概要
三井住友海上とJAXAが共同開発したサブオービタル宇宙旅行向け保険の概要(三井住友海上のリリースをもとにSpace Connectが作成)

JAXAとの共同研究で開発

この宇宙旅行保険は、三井住友海上とJAXAが共同で行ってきた研究をもとに開発された。

宇宙旅行では、ロケットの打ち上げ時に強い加速度がかかるほか、宇宙空間では無重力状態が続き、帰還時には再び大きな身体負荷が生じる。こうした環境は航空機旅行とは大きく異なり、身体への影響や事故リスクについて十分な分析が必要となる。

そこで今回は、JAXAが持つ宇宙医学や宇宙環境に関する知見を活用してリスク分析が行われている。JAXAとの共同研究から生まれた商品であることを示す「JAXA LABEL」が付与されており、宇宙分野の専門機関との連携によって開発された保険であることが示されている。

拡大する宇宙旅行市場

宇宙空間は、これまで宇宙飛行士など限られた人々だけが体験できる場所であった。しかし近年は民間企業による宇宙開発が急速に進み、一般の人々が宇宙へ行く機会も増え始めている。

2021年には、宇宙を訪れた民間人の数が宇宙飛行士の人数を初めて上回ったとされ、宇宙旅行市場が本格的に立ち上がりつつあることが示された。今後は宇宙港の整備や民間宇宙ステーションの建設なども計画されており、宇宙観光は新しい産業分野として注目を集めている。

こうした市場の拡大に伴い、宇宙旅行の安全性を支える金融サービスや保険の役割も重要性を増していくと考えられる。

さいごに

宇宙旅行の実現に向けては、ロケットや宇宙船といった輸送技術だけでなく、安全性を支える制度やサービスの整備も重要となる。

三井住友海上とJAXAによる宇宙旅行保険の開発は、宇宙旅行という新しい産業を支える金融インフラの一例といえる。宇宙空間という特殊な環境に対応したリスク分析や補償制度が整備されることで、宇宙旅行の信頼性向上にもつながると考えられる。

今後、民間宇宙企業による宇宙旅行サービスが拡大していく中で、保険や金融サービスなど周辺産業も含めた「宇宙ビジネスエコシステム」の形成が進んでいく可能性がある。

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参考

サブオ―ビタル旅行専用の宇宙旅行保険を提供開始:三井住友海上(2026-03-18閲覧)

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