世界初の宇宙×不動産カンファレンス「SRC 2025」12月2日に開催

2025年11月11日 2025年11月11日

kokoro

宇宙テクノロジーと不動産業界の最前線が交わるカンファレンス『宇宙×不動産カンファレンス 2025（SPACE REALTY CONFERENCE 2025）presented by スカパーＪＳＡＴ』（以下、SRC 2025）が2025年12月2日（火）に開催される。

本記事では、本イベントの背景や注目ポイントをご紹介する。

1 SRC 2025とは
- 1.1 概要
- 1.2 開催背景
  - 1.2.1 宇宙ビジネスの拡大
  - 1.2.2 宇宙×不動産の相乗効果
2 主な注目セッション
- 2.1 宇宙飛行士の野口聡一氏による基調講演
- 2.2 『地面師たち』×『正直不動産』特別セッション
3 参加無料！会場参加でつながる機会へ
4 さいごに
- 4.1 開催概要
- 4.2 参考

SRC 2025とは

概要

SRC 2025は、宇宙産業と不動産産業が交わる世界初の大型カンファレンスである。宇宙から得られる衛星データやAI技術を活用し、地上の産業にどのような変化と価値をもたらすかを議論する。

主催はJAXA発スタートアップであり、宇宙データとAIを活用して不動産の潜在価値を可視化する技術を開発する株式会社WHERE。

スカパーＪＳＡＴをダイヤモンドスポンサーに迎えるほか、野村不動産をはじめとする大手ディベロッパー、海外大手不動産仲介企業、さらに2025年8月にグロース市場へ上場したアクセルスペース、衛星データ解析を手がけるスペースシフトなど、20社以上が協賛する。

産官学の枠を超えた連携を促進し、宇宙技術を都市開発やまちづくりなど、社会に実装するための具体的なアイデアとパートナーシップ創出を目指している。

世界初の宇宙×不動産カンファレンス「SRC 2025」 — ©株式会社WHERE

開催背景

本イベントの背景には、拡大を続ける宇宙ビジネスと、宇宙データを新たな価値創出に活かそうとする不動産分野の動きがある。

宇宙ビジネスの拡大

近年、民間企業の参入により宇宙ビジネスは急速に成長している。ロケット打ち上げコストの低下や技術革新を背景に、輸送・衛星・軌道上サービスなどの分野で新たな市場が形成されつつある。

日本政府も宇宙産業を国家戦略の中核に据え、「宇宙基本計画」では関連市場を2020年の約4兆円から2030年代に8兆円規模へ倍増させる目標を掲げた。さらに、1兆円規模の「宇宙戦略基金」などの支援制度により、官需中心から民間主導への転換が進んでいる。

宇宙×不動産の相乗効果

一方で、宇宙業界が持続的な収益を確立するには、他産業との連携が欠かせない。中でも不動産は、宇宙データを最も多面的に活用できる有力な分野である。衛星データとAIによる可視化技術は、これまで見えなかった土地や建物の価値を明らかにし、宇宙業界と地上産業の双方に新たな収益構造をもたらす可能性がある。

不動産業界にとっても、宇宙技術は未開拓市場の可視化を可能にする。世界の不動産市場のうち実際に取引されているのはわずか1％未満であり、残る99％、約10京円に及ぶ“オフマーケット”をどう開放するか。その鍵を握るのが、宇宙からの視点である。

本カンファレンスを通じて、宇宙領域の企業と不動産領域の企業がお互いの技術とニーズを組み合わせ、具体的なソリューションとビジネスチャンスを創出することを目指している。

主な注目セッション

SRC 2025では、宇宙・不動産・行政・学術など、多分野のリーダーが集まり、宇宙データの社会実装や新市場の創出をテーマに議論を行う。以下に、特に注目すべきセッションを2つピックアップして紹介する。

宇宙イベント「宇宙×不動産カンファレンス 2025」注目セッション — 宇宙×不動産カンファレンス 2025 注目セッション ©Space Connect

宇宙飛行士の野口聡一氏による基調講演

3度の宇宙飛行を経験し、世界で初めて3種類の宇宙帰還を達成した宇宙飛行士としてギネス世界記録2部門認定されている野口聡一氏が登壇。国際社会経済研究所理事兼CTO、IHIアカデミー長、東京大学特任教授、世界経済フォーラム（ダボス会議）上級フェローなどを務める野口氏が、「宇宙ビジネスが開く不動産産業の新しい可能性」をテーマに講演する。