
2026年9月2日、株式会社Synspectiveの小型SAR(合成開口レーダー)衛星「StriX」シリーズの11号機が、Rocket Labの小型ロケット「Electron」により打ち上げられ、軌道への投入に成功した。
本記事では、11号機の打ち上げ結果と、2026年に加速するStriXコンステレーション構築の進捗、今後の衛星運用体制について整理する。
Synspective、11機目の小型SAR衛星打ち上げに成功
Synspectiveの11機目となる小型SAR衛星「StriX」は、日本時間2026年9月2日21時01分、Rocket LabのElectronロケットにより、ニュージーランド・マヒア半島にあるLaunch Complex 1から打ち上げられた。
今回のミッション名は「Owl Around The World」。打ち上げ後、Electronは飛行を続け、StriXを高度575kmの低軌道へ正常に投入した。
今回で、Rocket LabによるSynspective向けの専用打ち上げは11回目となった。Rocket Labは2020年のStriX初号機以降、同シリーズの打ち上げを継続して担っており、これまでの11回すべてでミッションに成功している。
今後は衛星の初期運用を進め、観測やデータ取得など各機能の確認が行われる予定である。

2026年4機目、年間6機の打ち上げ計画が進む
今回の11号機は、Synspectiveが2026年に打ち上げた4機目の衛星となる。
同社は2026年3月に8号機、5月に9号機、6月に10号機を相次いで打ち上げた。11号機を加えると、約半年間で4機のStriXを軌道へ送り込んだことになる。
Synspectiveは2026年に年間6機の打ち上げを計画しており、12号機、13号機についても年内の打ち上げを予定している。
2026年に入ってStriXの打ち上げが短い間隔で続いていることからも、Synspectiveのコンステレーション構築が本格的な拡大段階に入っていることがうかがえる。
11号機の運用開始で8機体制へ
Synspectiveは2026年8月時点で、7機のStriXを軌道上で運用している。
累計の打ち上げ数が11機であるのに対し、運用機数が7機となっているのは、初期の実証衛星やすでにミッションを終了した衛星が累計打ち上げ数に含まれているためである。
また、新たに打ち上げた衛星は、軌道投入後に機能確認や調整を行ったうえで本格運用に移行する。
例えば10号機は2026年6月27日の打ち上げ後、観測機能などの試験・調整を進め、8月2日に東京・押上周辺を撮影した初画像の取得に成功した。
11号機も今後、同様の初期運用を経て商用運用に加わる予定であり、運用開始後は8機体制へ拡大する見通しである。
Synspectiveは2026年末までに10機の衛星運用を計画している。11号機に続く衛星についても打ち上げから初期運用を着実に進められるかが、年内の目標達成に向けたポイントの1つとなる。
30機のSAR衛星網で観測頻度向上へ
Synspectiveは中長期的に、30機規模のSAR衛星コンステレーションを構築する計画を掲げている。
StriXは、マイクロ波を地表に照射して観測するSAR衛星であり、夜間や雲に覆われた状況でも地表を観測できる。
コンステレーションを構成する衛星が増えれば、同じ地域をより短い間隔で観測できるようになる。これにより、災害発生時の状況把握やインフラ監視、都市開発など、継続的な観測が求められる用途でSARデータを活用しやすくなる。
そのためSynspectiveにとって、衛星数の拡大は単に保有機数を増やすだけではなく、SARデータの提供頻度やサービスの対応力を高めることにつながる。
打ち上げ機会についても、Rocket Labとの長期的な協力関係を構築している。同社によると、今回の11号機以降もSynspective向けに16回のElectron打ち上げが契約されており、今後も継続的な衛星投入が予定されている。
今後は衛星数の増加とともに、取得できるデータ量や観測頻度をどのように実際のサービス拡大につなげていくかが注目される。
さいごに
Synspectiveは自社11機目となる小型SAR衛星StriXの打ち上げに成功し、2026年に入ってからの打ち上げ機数は4機となった。
今後11号機が機能検証を終えて運用に加われば、運用衛星は8機体制へ拡大する。さらに12号機、13号機の打ち上げも予定されており、年内10機規模の運用体制を実現できるかが次の焦点となる。
30機規模のSAR衛星コンステレーション構築に向け、Synspectiveが衛星の製造・打ち上げだけでなく、観測頻度の向上とデータ利用の拡大をどこまで進められるのか注目だ。
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