アクセルスペース、Airbusと衛星画像販売で提携|「GRUS」を世界市場へ
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株式会社アクセルスペース(以下、アクセルスペース)は2026年9月2日、Airbus Defence and Spaceと衛星画像販売に関するパートナーシップ契約を締結したと発表した。

今回の提携により、アクセルスペースが運用する地球観測衛星「GRUS」の中分解能光学衛星画像を、Airbusが持つ顧客基盤や地球観測分野の知見と組み合わせて提供する。

本記事では、提携内容と販売対象となるGRUSの衛星画像、Airbusと連携する戦略的な意味について解説する。

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アクセルスペースとAirbusが衛星画像販売で提携

提携概要

今回の契約では、アクセルスペースが運用する地球観測衛星「GRUS」が撮影した中分解能光学衛星画像を、Airbusの顧客基盤を通じて展開する。

アクセルスペースの広域・高頻度な観測能力と、Airbusが地球観測分野で培ってきた知見や顧客基盤を組み合わせ、農業、環境、インフラなど幅広い分野の需要に対応していく方針である。

Airbus Defence and SpaceのEric Even氏は、アクセルスペースの機動的な観測能力とAirbusの超高解像度衛星画像を組み合わせることで、世界規模で観測範囲と観測頻度を拡充できるとしている。

Airbusは、30cmの地上分解能を持つ「Pléiades Neo」や1.5m級の「SPOT」など、複数の光学衛星画像を提供している。ここにGRUSの観測データが加わることで、顧客の観測地域や撮影時期、用途に応じて選択できる衛星画像の幅が広がる。

アクセルスペースの中村友哉代表取締役も、GRUSの画像を提供することで、Airbusが取り扱う衛星データの種類・質・量を充実させ、より幅広い業界の需要に対応できるとの考えを示した。

(左から)アクセルスペース代表取締役の中村友哉氏、Airbus Defence and Space Space Digital Geospatial Solutions部門 Head of PortfolioのKévin Boverie氏(出典:アクセルスペース/PR TIMES)

Airbus Defence and Spaceとは

Airbus Defence and Spaceは、Airbusの宇宙・防衛事業を担う企業である。

地球観測分野では、30cmの地上分解能を持つ光学衛星「Pléiades Neo」をはじめ、光学衛星とレーダー衛星による地球観測データを提供。

世界各地に顧客基盤を持っており、衛星画像は、地図作成、農業、環境監視、インフラ管理、防衛・安全保障、災害対応などの幅広い分野で活用されている。

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販売対象となる地球観測衛星「GRUS」

GRUSは、アクセルスペースの地球観測データ提供事業「AxelGlobe」を構成する小型光学衛星である。
現在運用されているGRUS-1シリーズに加え、2026年7月には次世代機となるGRUS-3シリーズが7機打ち上げられた。

GRUS-1は現在4機体制

GRUS-1は、質量100kg級の小型地球観測衛星である。直下撮影時の地上分解能は、パンクロマチック画像が2.5m以下、マルチスペクトル画像が5m以下。1機あたり55km以上の撮影幅を持つ。

高頻度かつ広範囲に撮影でき、農業、土地管理、環境、金融などの分野で画像データや解析ソリューションが活用されている。

GRUS-1は従来5機で運用されていたが、2026年7月に「GRUS-1E」の姿勢制御機能で不具合が発生した。調査の結果、姿勢制御に使用するリアクションホイールの故障が確認され、同機の商用運用は終了している。

このため、2026年9月時点では4機体制で運用されている。

GRUS-3は7機を初期運用

アクセルスペースは2026年7月7日、次世代地球観測衛星「GRUS-3」7機をSpaceXのFalcon 9で打ち上げた。

GRUS-3は2.2mの地上分解能と、1機あたり28.3kmの撮影幅を備える。7機を組み合わせることで、1日最大230万km²を撮影し、北緯25度以上の地点では同一地点を1日1回観測できる。

7機はすでに軌道上での健全性を確認するクリティカル運用を正常に完了し、初撮影画像も公開されている。現在は2026年中の商用運用開始を目指して初期運用が進められている段階だ。

GRUS-3が加わることで、アクセルスペースの地球観測衛星コンステレーションは計10機以上の体制へ拡大する。

Airbusとの提携が持つ戦略的意義

衛星コンステレーションは、運用機数が増えるほど撮影できる面積や取得データ量も増加する。一方、衛星への投資を事業収益へ結びつけるには、取得した衛星画像を継続的に販売する顧客基盤を構築することが重要となる。

アクセルスペースはこれまで、オーストラリアの衛星画像・地理空間ソリューション企業Geoimageや、サウジアラビアの国家地球観測データプラットフォーム「NSG UP42」と提携し、海外におけるGRUS画像の販売経路を広げてきた。

今回のAirbusとの提携では、Airbusが世界各地で築いてきた顧客基盤を通じて、GRUS画像の販売機会をさらに広げられる。GRUS-3によって拡大する観測能力を、欧州をはじめとする海外需要につなげるうえでも重要な提携といえる。

またAirbusは2026年2月、日本のSynspectiveともSAR衛星データの供給に関する戦略的提携を締結している。今回、アクセルスペースの光学衛星画像も取り扱うことになり、日本企業が保有する地球観測データが、Airbusの世界的な販売網を通じて海外市場へ展開される動きが続いている

こうした連携によって、日本の地球観測事業者は、自社だけで海外の販売網を構築する場合に比べ、既存の顧客基盤を活用して海外市場へ参入しやすくなる。

さいごに

今回の提携により、アクセルスペースはAirbusの顧客基盤を活用し、GRUSの衛星画像を海外市場へ展開する新たな販売経路を得ることになる。

2026年中にはGRUS-3の商用運用開始も予定されており、7機の追加によって拡大する観測能力を、どこまで実際の販売や利用につなげられるかが今後の焦点となる。

今後は、Airbusを通じたGRUS画像の提供拡大や、農業、環境、インフラなど各分野での活用事例に注目したい

アクセルスペースでは現在、さまざまなポジションで人材を募集している。興味のある方は、宇宙分野に特化した転職マッチングサービス「スペジョブ」をチェックしていただきたい。

スぺジョブ

参考

航空宇宙大手AIRBUSグループ傘下のAirbus Defence and Space社と衛星画像販売に関するパートナーシップ契約を締結

Satellite imagery - Earth observation

次世代地球観測衛星「GRUS-3」クリティカル運用を正常に完了

AxelGlobe事業の小型衛星「GRUS-1E」、商用運用終了のお知らせ

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