
2026年8月11日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、準天頂衛星システム「みちびき7号機」を搭載したH3ロケット9号機を、種子島宇宙センターから打ち上げた。
ロケットは計画どおり飛行し、みちびき7号機を正常に分離。所定の軌道への投入に成功した。
本記事では、H3ロケット9号機の打ち上げ結果と、宇宙へ送り届けられたみちびき7号機の今後について解説する。
H3ロケット9号機の打ち上げ結果
H3ロケット9号機は、2026年8月11日午前4時23分31秒に、種子島宇宙センター 大型ロケット発射場から打ち上げられた。
今回の9号機には、内閣府が整備を進める準天頂衛星システム「みちびき7号機」が搭載された。
打ち上げ後、H3ロケット9号機は固体ロケットブースターや衛星フェアリング、第1段を順次分離。その後、第2段エンジンの燃焼を経て飛行を続けた。
第2段エンジンは2回の燃焼を行い、打ち上げから約30分後にみちびき7号機を正常に分離。所定の軌道へ投入したことが確認され、H3ロケット9号機の打ち上げミッションは成功した。
H3ロケットとしては、2026年6月12日に打ち上げられた6号機に続く成功となった。

みちびき7号機は今後、準静止軌道に移行
H3ロケット9号機から分離されたみちびき7号機は、最終的な運用軌道である「準静止軌道」への移行を進める。
今回、H3ロケットが衛星を投入したのは準静止軌道へ向かう途中の軌道であり、今後はみちびき7号機自身の推進系を使って軌道を段階的に変更する「オービットレイジング」が行われる。
準静止軌道への移行後は、衛星本体や搭載機器が正常に動作するかを確認する「軌道上チェックアウト」を実施する。
JAXAが示した計画では、打ち上げから約2週間後に軌道上チェックアウトを開始し、約3カ月後をめどに衛星を運用事業者へ引き渡す予定である。
ASNAVの機能確認・軌道上実証へ
みちびき7号機では、運用開始に向けた確認と並行して、高精度測位システム「ASNAV(Advanced Satellite Navigation System)」の軌道上実証が行われる。
ASNAVは、準天頂衛星システムの測位精度をさらに高めるため、JAXAがみちびき5号機・6号機・7号機向けに新たに開発したシステムである。衛星同士や衛星と地上局との距離を高精度に計測し、測位衛星自身の位置や時刻に含まれる誤差を抑えることで、地上で利用する位置情報の精度向上を目指す。
みちびき7号機にもASNAVに対応する機器が搭載されており、軌道上で機能や性能を確認した後、地上設備と組み合わせた実証が進められる。
JAXAは、2028年度末までASNAVを活用した測位精度向上に向けた実証を進める計画である。
ASNAVの詳しい仕組みや、みちびき7号機の特徴については、以下の記事で解説している。
さいごに
H3ロケット9号機は、2026年8月11日に種子島宇宙センターから打ち上げられ、約29分4秒後にみちびき7号機を正常に分離した。これにより、H3ロケット9号機の打ち上げミッションは成功した。
一方、みちびき7号機のミッションはここから本格化する。
今後は衛星自身の推進系を用いて準静止軌道へ移行し、衛星本体や搭載機器の機能確認を進める。また、高精度測位システム「ASNAV」の軌道上実証も予定されている。
今回の打ち上げ成功により、みちびき7号機は運用開始に向けた次の段階へ進んだ。今後の軌道移行や機能確認、測位精度向上に向けた実証の進展に注目したい。
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