SpaceX、Starship第13回飛行試験実施へ|Starlink V3を初搭載
©Space Connect

SpaceXが開発する超大型ロケット「Starship(スターシップ)」の13回目の飛行試験が、早ければ2026年7月17日(日本時間)に実施される予定である。

本記事では、Starship第13回飛行試験の概要と注目ポイント、飛行試験のタイムラインについて紹介する。

Starship第13回飛行試験の概要

Starship第13回飛行試験は、Starship宇宙船とSuper Heavyブースターの第3世代機(V3)の2回目の飛行となる。

Starshipの構成
Starshipの構成 ©Space Connect

Starship V3は、完全かつ迅速な再使用に向け、これまでの開発や試験で得られた知見をもとに改良された新世代機体である。前回の第12回飛行試験では、Starship宇宙船とSuper HeavyブースターのV3機体が初めて飛行した。

今回の第13回飛行試験では、第12回飛行試験で確認された問題を踏まえ、機体のハードウェアや制御方法などが改良されている。

前回達成できなかった項目を含む同様の試験目標に再挑戦するとともに、次世代のStarlink衛星「Starlink V3」20機を初めて搭載し、宇宙空間で放出する計画だ。

飛行試験の実施概要(2026年7月13日時点)は以下の通りである。

  • 日時:2026年7月17日 午前7時45分~(日本時間)
  • 打ち上げウィンドウ:90分間
  • 搭載物:Starlink V3衛星 20基

なお、打ち上げ日時は機体や天候などの状況によって変更される可能性がある。

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ミッションの注目ポイント

次世代のStarlink V3衛星を初搭載

第13回飛行試験では、Starshipとして初めて、次世代通信衛星「Starlink V3」の実機20機を搭載し、宇宙空間で放出する。

前回の第12回飛行試験では、20機のStarlink模擬衛星と、Starlink V3向けハードウェアを試験する2機の改修型Starlink衛星が放出された。今回は、通信機能を備えたStarlink V3衛星を実際に輸送し、放出後の機能を確認する初期試験となる。

Starlink V3は、Starlinkネットワークの通信容量と利用者の通信速度を高めることを目的とした次世代衛星である。今回放出された衛星は太陽電池パネルとアンテナを展開し、大容量のレーザー通信によって既存のStarlink衛星網との接続を試みる。

ただし、通常の周回軌道には投入されず、Starshipと同じ弾道飛行の軌道を進み、放出から約20分後に大気圏へ再突入して消失する予定だ。

また、20機のうち6機にはStarshipの耐熱シールドを撮影するカメラが搭載される。画像は地上へ送信され、将来の発射地点への帰還に向けて、宇宙空間で耐熱シールドの状態を確認する方法の検証に使われる。

今回の試験では、耐熱タイルが脱落した状態を模擬し、画像撮影のターゲットととして複数枚のタイルが白く塗装されている。

Super Heavyは洋上への制御降下を目指し改良

Super Heavyは、打ち上げ、上昇、Starshipとの分離、着陸燃焼までを行い、メキシコ湾上に設定された目標地点への制御着水を目指す。

今回の機体には、第12回飛行試験で確認された問題への対策が施されている。

前回の試験における1つ目の問題は、Starshipとの分離の際、エンジン始動時間にわずかな差が生じたことで、分離後のSuper Heavyの反転方向が予定から約90度ずれた点である。このため、始動時間にばらつきがあっても、予定した方向へ安定して反転できるよう、エンジンの始動手順が変更された。

2つ目は、33基のエンジンのうち5基で再点火時に問題が発生し、Super Heavyを帰還方向へ向けるためのエンジン燃焼が予定より早く終了した点である。今回は、エンジン再点火の信頼性を高めるためにハードウェアが改修されたほか、エンジンの異常を知らせる警報や、再点火・燃焼を中止する判断に関する設定も更新されている。

Starshipは推進系を改良、耐熱シールドの検証も実施

Starship宇宙船は、Starlink V3衛星20機の放出、宇宙空間でのRaptorエンジン1基の再点火、大気圏再突入、インド洋への制御着水を目指す。

第12回飛行試験では、Super Heavyとの分離から約40秒後に、3基ある真空用エンジンのうち1基が停止した。それでも残るエンジンで飛行を継続し、予定していた弾道飛行の軌道に到達した。

SpaceXは、エンジン停止につながった複数の要因に対応するため、推進システムのハードウェアと運用方法を変更した。今後のRaptorエンジンでも、さらなる信頼性向上を進めるとしている。

また、完全かつ迅速な再使用に向け、耐熱シールドに関する複数の実験も行う。機体の各所に、仕様や固定方法の異なる耐熱タイルを取り付け、飛行中のデータを収集する。

一部には、タイルに加わる力を測定する「荷重感知タイル」も搭載される。

今回は、これまでより高い動圧を受ける条件で上昇する。これにより耐熱タイルの固定部分にかかる負荷は増えるが、より多くのペイロードを軌道へ輸送するための飛行条件につながる。

荷重感知タイルで実際の負荷を測定し、輸送能力の向上と耐熱シールドの信頼性を両立するためのデータを収集する。

飛行試験のタイムライン

Starship第13回飛行試験のタイムラインは以下の通りである。

Starship第13回飛行試験 タイムライン
Starship第13回飛行試験 タイムライン ©Space Connect

打ち上げから約2分21秒後にStarshipとSuper Heavyが分離し、Super Heavyはその約4分6秒後、メキシコ湾上の目標地点への着水に向けた着陸燃焼を開始。

一方、Starshipは打ち上げから約16分40秒後にStarlink V3衛星の放出を開始し、約38分58秒後には宇宙空間でRaptorエンジン1基の再点火を試みる。

その後、大気圏へ再突入し、打ち上げから約1時間5分後にインド洋への制御着水を目指す。

さいごに

SpaceXは、Starship第13回飛行試験で、Starlink V3衛星20機の放出やRaptorエンジンの宇宙空間での再点火、Super HeavyとStarshipの制御着水を目指す。

今回の試験では、第12回飛行試験で確認されたエンジン再点火や機体制御の問題への対策に加え、Starlink衛星を使った耐熱シールドの撮影や、新たな耐熱タイルの取り付け方法の検証も行われる。

次世代Starlink衛星の輸送能力と、Starshipの完全再使用に必要な帰還技術を同時に検証する点が、第13回飛行試験の重要なポイントとなる。

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参考

Starship's Thirteenth Flight Test(SpaceX, 2026-07-13閲覧)

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