Planet Labs、2027年度Q1決算を発表|売上42%増、政府・防衛向け需要が成長牽引
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2026年6月5日(日本時間)に、地球観測衛星などを製造・運用するPlanet Labs PBC(プラネットラボ、以下「Planet Labs」)が2027年度第1四半期(Q1)決算を発表した。
本記事では、決算のポイントと事業の進捗について整理する。

Planet Labsの概要

Planet Labsは、地球観測衛星を運用し、衛星画像や地理空間データ、AIを活用した分析ソリューションを提供する米国の宇宙企業である。

Planet Labsの主な衛星
Planet Labsの主な衛星 ©Space Connect

同社は、多数の小型衛星を活用して地球全体を高頻度で観測する衛星コンステレーションを構築しており、その規模は地球観測衛星群として世界最大級の約200機を誇る。主力サービスであるPlanetScopeは、Dove系の小型衛星群によって広域を高頻度で観測することに強みを持つ一方、高解像度撮影を担うSkySatや次世代衛星Pelicanも展開。これにより、広範囲の変化を継続的に把握する用途と、特定地点をより詳細に確認する用途の双方に対応している。

これらの衛星により、農業、森林、金融、インテリジェンス、防衛、行政など幅広い分野にデータを提供。加えて、近年では、AIによる解析、船舶検出、森林監視、農業モニタリング、災害対応など、衛星データを意思決定に活用するサービスへと事業領域を広げている。

日本市場での展開として注目されるのが、スカパーJSATとの協業である。スカパーJSATは、Planetの次世代高解像度衛星「Pelican」を採用した低軌道衛星コンステレーションの構築に向けて協業を開始しており、Planetは同社向けにPelican衛星を開発・提供する予定である。

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Planet Labsの決算内容|2027年度第1四半期

2027年度第1四半期決算概要

Planet Labs 2027年度Q1決算実績
Planet Labs 2027年度Q1決算実績 ©Space Connect

同社の2027年度第1四半期売上高は9,420万ドル(約150億円)となり、前年同期比で42%増加した。

売上成長の背景として、政府・防衛機関、農業関連機関、民間企業などによる衛星データ需要の拡大がうかがえる。特に、NGAや米海軍、国際防衛・インテリジェンス顧客との契約が示されており、安全保障領域での利用拡大が目立つ内容となった。

一方、純損失は1億3,890万ドルとなり、前年同期の1,260万ドルの赤字から拡大した。ただし、この損失には、株価上昇に伴うワラント負債の公正価値変動による約1億650万ドルの評価損が含まれている。

調整後EBITDAは100万ドルの赤字となり、前年同期の120万ドルの黒字から小幅に悪化した。ただし、同社は第2四半期および通期で調整後EBITDAの黒字化を見込んでいる。

また、将来収益の見通しを示すRPOは前年同期比81%増の8億1,600万ドル、受注残は前年同期比72%増の9億600万ドル超となっており、政府・防衛分野を中心に契約の積み上げが進んでいる。

財務状況と今後の見通し

Planet Labsの財務状況と今後の見通し
Planet Labsの財務状況と今後の見通し ©Space Connect

Planet Labsは、2027年度第1四半期末時点で、現金、現金同等物、短期投資を合わせて7億3,080万ドルを保有している。

同社は、公開ワラントの償還により約1億780万ドルの資金を得ており、今後の衛星開発やAI関連プロダクトなど、成長投資を継続できる財務基盤を確保している。

また、2027年度第2四半期については、売上高を1億200万〜1億700万ドル、調整後EBITDAを0〜500万ドルの黒字と予想している。

2027年度通期では、売上高を4億2,500万〜4億4,100万ドル、調整後EBITDAを0〜1,000万ドルの黒字と見込んでおり、売上成長と収益性改善の両立を目指している。

Planet Labsの事業進捗

政府・防衛分野での契約拡大

今回の決算における注目ポイントの1つは、政府・防衛分野での契約拡大である。

Planet Labsは、国際的な防衛・インテリジェンス顧客と、軌道上衛星の専用キャパシティサービスに関する1年契約を締結した。この契約では、Pelican、SkySat、PlanetScopeといった複数の衛星群を活用し、高解像度のタスキング能力や高度な分析ソリューションを提供する。

また、NGAからは海上監視に関する2,190万ドルの1年契約延長を獲得したほか、危機対応を支援するGlobal Monitoring Serviceに関する新たな契約も受けている。

さらに、米海軍からは太平洋地域における船舶検出・監視を目的とした750万ドルの6カ月契約更新を受けており、安全保障領域での商用衛星データ活用が進んでいることを示している。

農業・環境分野での衛星データ活用も進展

Planet Labsは、農業や環境分野でも衛星データの活用事例や顧客・パートナー関係を広げている。

チェコ共和国では、農業支払い・監視システムを支援するため、衛星画像とAI分析を提供する2年契約を締結した。この契約では、チェコ国内の約2万5,000の農業経営体を対象とする監視システムを支援する。

また、スコットランド政府からは、農業改革ロードマップを支援するため、PlanetScopeデータと高度な分析サービスに関する契約を獲得している。

そのほか、John Deereによるサプライヤー・サステナビリティ賞の受賞、Nave Analyticsとの契約更新、Watch Dutyの新規顧客化、Bezos Earth Fundの支援を受けた森林監視プログラムなども示されており、衛星データが農業、森林、災害対応、環境監視などに広く活用されている。

Pelican衛星の追加打ち上げで高解像度観測体制を強化

2026年5月には、次世代の高解像度衛星「Pelican」3機を追加で打ち上げた。これにより、軌道上のPelican衛星は合計9機となっている。

今回の打上げには、スウェーデン軍初の主権偵察衛星も含まれている。同衛星は、契約締結からわずか4カ月超で打ち上げられており、商用衛星を活用した安全保障向け宇宙システムの迅速な構築事例としても注目される。

Pelicanは、Planet Labsが展開する次世代の高解像度衛星であり、顧客が指定した場所を撮影する「タスキング」用途に対応。特定地点を詳細に撮影できるだけでなく、撮影指示への対応速度、画像品質、データ提供までの速さを高めることを特徴としている。今回の追加打上げにより、同社は防衛・インテリジェンス分野をはじめ、高解像度画像を必要とする顧客向けの観測体制を強化した形である。

AIアプリとSuperResで衛星データの使いやすさを向上

Planet Labsは、衛星データの活用を広げるため、新たなAIアプリケーションのプライベートベータ版も発表した。

このアプリは、Planetが保有する大規模な地球観測データを自然言語で検索できるようにするもので、非技術者でも衛星画像の時系列分析やレポート作成を行いやすくすることを狙っている。

また、AIを活用してPlanetScopeデータの視覚的解像度を高めるSuperResも発表された。これにより、高頻度観測を強みとするPlanetScopeのデータを、人が目視で確認しながら行う分析に活用しやすくなる可能性がある。

さいごに

Planet Labsの2027年度第1四半期決算では、売上高が前年同期比42%増となる一方、純損失はワラント負債の評価損の影響もあり拡大した。ただし、RPOや受注残は大きく伸びており、政府・防衛分野を中心に衛星データ需要が拡大していることがうかがえる。

同社は、約200機規模の地球観測衛星群を活用した広域・高頻度観測に加え、Pelicanによる高解像度観測体制の強化、AIアプリやSuperResによるデータ活用の高度化を進めている。衛星画像を提供するだけでなく、顧客の意思決定に直結する地理空間データサービスへと事業を広げている点が特徴である。

スカパーJSATとの協業を含め、Planet Labsの動きは、日本の衛星データ事業や安全保障分野における商用衛星活用を考えるうえでも注目される。

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参考

Planet Labs PBC「Planet Reports Financial Results for First Quarter of Fiscal Year 2027」

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