Orbital LasersがシリーズAで約30億円を調達、宇宙レーザーで世界初の民間事業実現へ
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2026年3月19日、宇宙レーザー技術を手がけるスタートアップ「株式会社Orbital Lasers(以下、Orbital Lasers)」は、シリーズAラウンドにおいて約30.2億円の資金調達を実施した。

本記事では、Orbital Lasersの概要、今回の資金調達の狙い、そして宇宙レーザー技術の将来性について整理する。

資金調達の概要

Orbital Lasersは今回のシリーズAラウンドにおいて、総額約30.2億円の資金調達を実施した。

本ラウンドには、ベンチャーキャピタルや金融機関、事業会社などが幅広く参加しており、同社の技術および事業の将来性に対する高い評価が示された形となっている。特に、ディープテックや宇宙分野への投資実績を持つプレイヤーが複数参画している点は、同社のポジションを示す上で重要なポイントといえるだろう。

主な引受先は以下の通りである。

  • スパークス・アセット・マネジメント株式会社
  • JICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社
  • 株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ
  • Angel Bridge株式会社
  • 大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社
  • 三菱UFJキャピタル株式会社
  • みずほキャピタル株式会社
  • SMBCベンチャーキャピタル株式会社
  • スカパーJSAT株式会社

今回調達された資金は、宇宙用レーザーの中核技術である送受信系の高度化に加え、衛星システムとの統合開発や実証ミッションに向けた研究開発に充てられる予定である。

Orbital Lasersとはどんな企業?

©Orbital Lasers

スカパーJSAT発の宇宙スタートアップ

Orbital Lasersは、スカパーJSATグループからカーブアウトして誕生した宇宙スタートアップである。比較的新しい企業ではあるが、宇宙用レーザーという専門性の高い領域に特化している点が特徴だ。

母体であるスカパーJSATは、衛星通信事業において長年の実績を持ち、宇宙インフラの運用ノウハウを蓄積してきた企業である。宇宙分野においては「技術単体」ではなく「運用・ビジネスまで含めた統合力」が競争力に直結するため、こうしたバックグラウンドは今後の事業展開において重要な意味を持つと考えられる。

Orbital Lasersの宇宙用レーザー技術の特徴

同社が開発するレーザーは、小型化と高出力を両立させた宇宙用途向けの設計となっている。従来のレーザー技術と比べてもピークパワーの向上が図られており、限られた電力や重量制約の中でも高い性能を発揮できる点が特徴である。

さらに重要なのは、この技術が宇宙機システム全体との統合を前提として設計されている点にある。レーザーの送信・受信だけでなく、姿勢制御やデータ処理、電力管理といった衛星システムとの連携を含めて最適化されているため、実際のミッションでの運用性が高い。

加えて、レーザー技術は観測(LiDAR)、通信(光通信)、デブリ対策といった複数の用途に応用可能であり、一つの技術基盤が複数市場に展開できる「横展開性」を持つ点も特徴だ。この点は、将来的な事業拡張や収益モデルの多様化において大きな強みとなる。

なぜ今「宇宙レーザー」なのか

宇宙用レーザーの将来利活用シーンマップ
宇宙用レーザーの将来利活用シーンマップ ©Space Connect

宇宙データ需要の拡大

近年、地球観測や通信、防衛といった分野において、より高精度かつリアルタイム性の高いデータが求められている。観測ならびに、そのデータ処理・伝送等において、従来の技術では対応が難しい領域も増えており、その解決手段としてレーザー技術の重要性が高まっている。

観測分野では、センチメートル級の精度や三次元情報の取得といった要求が強まっており、従来の光学センサーやレーダーだけでは限界が見え始めている。その中で、レーザーを用いたLiDAR技術は、高精度な距離測定や立体データ取得を可能にする手段として注目されている。

さらに、将来的には衛星間通信においてもレーザー(光通信)の活用が進むと見られており、宇宙レーザーは「観測」と「通信」の両方を支える基盤技術として位置付けられつつある。

宇宙空間の混雑とデブリ問題

レーザー技術は、宇宙デブリ対策にも活用できる。

低軌道を中心に衛星数が急増する中で、スペースデブリ問題は深刻化しており、各国・各企業が対策を模索している状況だ。特に、Starlinkをはじめとする大規模コンステレーションの展開により、軌道上の物体数は急激に増加している。これに伴い、運用中の衛星同士やデブリとの衝突回避が日常的な課題となりつつある。

従来のデブリ対策は、地上からのレーダーや光学観測による追跡が中心であったが、小型デブリの検知やリアルタイム性の確保には限界がある。そのため、より高精度かつ即応性の高い手段が求められている。

レーザー技術は、こうした課題に対して非接触での高精度測距や追跡を可能にする点で優位性を持つ。さらに将来的には、レーザー照射による軌道制御や減速といった応用も検討されており、「検知」から「対処」までを一貫して担う技術として期待されている。

さいごに

宇宙レーザー技術は、通信・観測・防衛といった複数の分野を横断する次世代インフラとしてのポテンシャルを持つ。

Orbital Lasersは、その中でも日本発のディープテック企業として重要なポジションに立っている。今回の資金調達を契機に、実証から商業化へと進む中で、どこまで存在感を高めることができるのかが今後の焦点となるだろう。

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参考

Orbital Lasers、シリーズAラウンドで30.2億円を調達(2026-03-22閲覧)

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