
2026年1月26日、小型衛星の開発・運用を手がけるアクセルスペースは、同社の地球観測プラットフォーム「AxelGlobe」による衛星画像を、国土交通省・国土地理院へ継続的に提供することが決定したと発表した。
本件は、国土地理院が進める「衛星・AIを活用した地図更新の効率化」を目的とした電子国土基本図関連プロジェクトの一環であり、2023年度からの初回契約に続く取り組みとなる。
本記事では、電子国土基本図関連プロジェクトの概要を整理するとともに、アクセルスペースが衛星画像の継続提供事業者として選定された背景についてご紹介する。
電子国土基本図関連プロジェクトについて
電子国土基本図とは、日本の国土を統一された基準で表現するために整備されている、デジタル形式の基本地図である。
道路や建築物、地形といった基礎的な地理情報を網羅しており、カーナビゲーションシステムや地図アプリ、ハザードマップなど、行政・民間を問わず幅広い地理空間情報サービスの基盤として利用されている。こうした電子国土基本図の整備・更新と活用促進は、政府における重要な施策の一つに位置付けられている。
一方で、日本全国を対象とする地図情報を常に最新の状態に保つことは、人手による作業だけでは大きな負担となる。
こうした課題に対応するため、国土地理院では、異なる時期に取得された衛星画像をAIで解析し、地物の変化箇所を自動的に抽出する技術の開発と、それを活用した地図更新プロセスの効率化を進めてきた。衛星画像をもとに道路の新設や大規模建築物の変化などを把握し、必要な箇所に絞って地図を更新することで作業の省力化と更新頻度の向上が期待される。

アクセルスペースが選ばれた理由
アクセルスペースは、日本では最大級の光学衛星コンステレーションを運用している点が特徴だ。2023年度のプロジェクト初回契約以降、自社の光学衛星「GRUS(グルース)」によって取得した衛星画像を提供し、電子国土基本図の整備・更新に継続的に貢献してきた実績がある。
地球観測プラットフォームサービス「AxelGlobe」では、最大約2.5mの分解能を持つGRUS衛星5機により、地球上の同一地点を2〜3日に一度の頻度で観測することが可能とされている。また、高い姿勢制御性能を生かし、利用者の要望に応じて特定地点を観測する「タスキングベース」でのデータ提供にも対応している。
さらに、本プロジェクト向けに開発された「AxelGlobe モザイク」では、同一地点を複数回撮影した衛星画像を組み合わせることで、雲の影響を抑えた画像データの作成が可能となる。これにより、複数年にわたり全国の地物の最新状況を反映した、実用性の高い衛星画像データの提供が実現している。
アクセルスペースが所有する中分解能の衛星画像は、超高精細な画像と比べて広域を効率よくカバーできる点に強みがあり、全国規模での変化把握という用途に適している。アクセルスペースは、単なる画像提供にとどまらず、解析や利用を前提とした画像加工や品質調整まで含めた体制を構築してきたことが、今回の継続採用につながったと考えられる。

さいごに
電子国土基本図関連プロジェクトは、衛星画像とAIを組み合わせることで、全国規模の地図更新をより効率的かつ高頻度に行うことを目指す取り組みである。アクセルスペースによる衛星画像の継続提供は、こうした地図更新の高度化を支える基盤の一つとして位置付けられる。
人手による更新作業の負担が課題となる中、実運用に耐える衛星データを安定的に提供し、解析や活用まで見据えた体制を構築してきた点は、日本の地理空間情報インフラの高度化にとって重要な意味を持つ。今回の継続採用は、衛星データが行政の基盤業務に組み込まれる段階に入りつつあることを示す事例といえるだろう。
本記事でご紹介したアクセルスペースは現在、複数のポジションで人材採用を進めている。興味のある方はこちらからご確認いただきたい。

参考
アクセルスペース、国土交通省・国土地理院の電子国土基本図関連プロジェクトにAxelGlobeの衛星画像を継続提供(アクセルスペース, 2026-02-03閲覧)








