10周年を迎えた「SPACETIDE」、2025の豪華登壇者・注目セッションをご紹介!
©Space Connect

2025年7月7日から10日までの計4日間、国際宇宙ビジネスカンファレンス『SPACETIDE 2025』が一般社団法人SPACETIDEにより開催される。

同イベントは過去最大規模での開催となり、世界35以上の国・地域からおよそ1,800名の宇宙ビジネス関係者が集結する貴重な機会だ。

本記事では、注目セッションや同イベントの魅力についてご紹介する。

次の10年の新たな潮流を創る―SPACETIDE 2025とは

『SPACETIDE 2025』は、今回で記念すべき第10回目の開催を迎えた、アジア太平洋地域最大級の国際宇宙ビジネスカンファレンスである。

同イベントの始まりは2015年。当時はまだ「宇宙ビジネス」という言葉も一般には浸透していなかった頃に、日本初の宇宙ビジネスカンファレンスとして『SPACETIDE 2015』が一般社団法人SPACETIDEと内閣府宇宙戦略室により開催された。

この取り組みは、民間が切り拓く最先端の宇宙ビジネスが広がっていくための起爆剤となった。それ以来、SPACETIDEは、様々な国・業種のトップリーダーたちが共通課題を議論し、未来のために共創する場をつくってきた。

そして2025年現在、世界と日本の宇宙産業は大きく進展し、数多くの民間企業が活躍する市場へと成長。大規模な資金も流入するフィールドとなっている。しかしその一方で、宇宙産業は依然として多くの人々にとって“遠い存在”であり、ニッチな業界と見なされることも少なくない。

こうした現状をふまえ、『SPACETIDE 2025』は「The Next Decade: Unlocking Space for All Humanity」をメインテーマに開催される。

宇宙産業が今後さらに発展していくためには何が求められるのか。これまでの10年を振り返りつつ、宇宙がもたらす社会変革、産業の融合、人材の流動性など、未来の宇宙ビジネスの新たな潮流を議論し、これからの10年の可能性を探っていく。

豪華ゲスト集結!注目セッションをご紹介

『SPACETIDE 2025』は、宇宙ビジネスの進化の軌跡と未来を描き、宇宙が現実的なビジネス領域となるためのアクションを共に創造する場となる。

昨年の約2倍となる100ほどのセッションが予定されており、各セッションは複数のトラックに分かれて展開され、別会場ではサイドイベントも実施される予定だ。

「SPACETIDE 2025」セッションの概要(SPACETIDE2025 公式サイトを参考にSpace Connectが作成)

宇宙ビジネスの今を映す―必見のセッション3選

『SPACETIDE 2025』では、次世代のタレントや技術、商業政策、官民デュアルユースなど、多岐にわたるテーマが各セッションで議論される。

中でも、業界の現状と今後を読み解くうえで鍵となるのが、一般社団法人SPACETIDEの代表理事兼CEO・石田真康氏も注目する、以下の3つのセッションである。

① ポストISSのゲームチェンジャー─新たな宇宙経済圏の創造主たち

2030年に退役が予定されている国際宇宙ステーション(ISS)。その“次”を担う存在として、民間宇宙ステーションはもっとも注目のトピックの一つだ。

科学実験、軌道上製造、宇宙旅行など様々な可能性が期待される中、国を跨いだ国際的な提携も加速している。

このセッションでは、日本企業に加え、Axiom Space、Blue Origin、VAST、Voyagerなどの主要な海外企業が全て参加。新たな経済圏・生活圏としての民間宇宙ステーション構想について語る。

開発レースの裏側と、日本企業の挑戦も見逃せない。

  • セッション:7月10日(DAY3) Track A-1、(5F)14:10-15:00

➁ M&Aと提携が描く宇宙ビジネス成長戦略

拡大を続ける宇宙ビジネスにおいて、今後の最大の課題の一つは持続的な収益確保にある。

現在、宇宙スタートアップの上場や宇宙の商業化が進む中、企業の継続的な成長に対する期待とプレッシャーも高まりつつあり、大企業とスタートアップ企業による買収や提携が加速している。

このセッションでは、経営コンサルティングファームを交えて、宇宙企業のM&Aや業務提携の裏側を紹介するとともに、リアルビジネスとしての勝ち筋について議論する。

  • セッション:7月10日(DAY3) Track A-2、(5F)13:50-14:40

③ 地球から月そして火星へ

宇宙探査分野では、米国が主導する国際有人月探査プログラムのアルテミス計画が注目を集めるほか、月を超えて火星や遠い宇宙にむけた様々な宇宙探査活動の流れも加速しつつある。

このセッションでは、過去に火星探査計画『マーズ2020 ローバー』など多くの太陽系探査プロジェクトに携わってきた火星探査機開発エンジニアの小野雅裕氏、そして小惑星探査機「はやぶさ2」のプロジェクトマネージャーである津田雄一氏らが登壇し、2030年代の宇宙探査計画について語る。

  • セッション:7月10日(DAY3) Track A-1、(5F)9:50-10:50

これらの他にも、宇宙ビジネスの成長のために今最も求められている「人材戦略」、それに伴う「キャリア形成」、そして商業宇宙政策の切り札とも言われる、10年で1兆円規模の国家プログラム「宇宙戦略基金」に関する議論など、宇宙ビジネスの成長に欠かせないテーマが多数取り上げられている。

開催期間を通じて幅広いテーマが展開されるため、宇宙業界の全体像を把握できるだけでなく、3日間を通して飽きることなく楽しめる点は、『SPACETIDE 2025』の大きな魅力のひとつだろう。

宇宙飛行士や「ガンダム」監督など 多彩なゲストが登壇

先に紹介したセッション以外にも、『SPACETIDE 2025』には、宇宙業界の第一線で活躍する専門家から、ビジネス界の著名人、VTuber、クリエイターまで、総勢100名を超える多彩な登壇者が参加予定だ。

たとえば、ロケットアイドルVTuberの宇推くりあ氏、スペースデータ創業者の佐藤航陽氏、インターステラテクノロジズ創業者の堀江貴文氏など、話題性と専門性を兼ね備えた人物が名を連ねている。

登壇者の一覧は公式ホームページでも公開されており、以下にその一部を抜粋して紹介する。

SPACETIDE2025 注目の登壇者 ー宇推くりあ氏、山崎直子氏、佐藤航陽氏など
SPACETIDE2025 注目の登壇者(SPACETIDE2025 公式サイトを参考にSpace Connectが作成)

ここでは、特に注目のセッションを2つピックアップしてご紹介する。

宇宙ビジネスが活性化する次の10年の人類活動圏拡大

宇宙飛行士の若田光一氏や、元宇宙飛行士の山崎直子氏、ESAの宇宙飛行士Thomas Pesquet氏が登壇。

地球低軌道から月・火星へと広がる人類の活動圏と、その未来における宇宙ビジネスの役割と可能性について、これまでの経験や今後のビジョンをもとに多角的に議論する。

人類による宇宙開発の“これまで”と“これから”をつなぐ、国際的かつ今回のカンファレンスを象徴するセッションである。

  • セッション:7月8日(DAY1)Track A(5F) 13:45-14:30

⑤ 「宇宙世紀 (U.C.)」実現の可能性と宇宙ビジネスの価値を問う

日本を代表するSF作品の『ガンダム』。 宇宙文明を実現した人類社会の絵姿を通じて、宇宙への希望と警鐘を描き続けた富野由悠季監督が登壇。

50年前に描かれた宇宙の「未来」に、いま私たちは、どこまで近づいているのか。宇宙の商業化を通じて急速に発展している現状について富野監督が考えていることとは。

SFと現実をつなぐ唯一無二のセッションとなっている。

  • セッション:7月8日(DAY1)Track B(4F) 15:40-16:10

つながりを広げる貴重な機会に

様々なセッションを通じて最先端の知見を得られる『SPACETIDE 2025』。しかし、同イベントの魅力はそれだけではない。

もうひとつ注目すべきは、宇宙業界の関係者と直接交流できるネットワーキングの機会である。

現在、申し込み人数はすでに1,000名を超えており、豪華登壇者陣に加え、国内外の宇宙関連企業・団体から多数の関係者が集まる見通しだ。プログラム内には交流の時間も設けられており、新たな出会いを見つける場、また既存の関係を深める場として活用できる。

そのため、同イベントは新たに宇宙業界への参入を考えている方や、業界理解を深めたい方、あるいは海外企業との接点を求める方にとって、業界のキーパーソンと直接つながる絶好の機会となるであろう。

オンラインでのアーカイブ視聴も可能だが、偶発的な出会いや対話は現地ならではの価値。ぜひ会場での参加をお勧めしたい。

さいごに

いかがでしたか。

本記事では、「SPACETIDE 2025」の魅力や注目セッション、登壇者情報についてまとめた。業界を幅広くリサーチできるこの機会に、ぜひ現地に足を運んで宇宙ビジネスの熱量を感じていただきたい。

また、会場の虎ノ門ヒルズフォーラムでは、農業、都市計画、国家安全保障といった特定分野における宇宙技術の実践的な活用に焦点を当てた「Space2Earth Asia Summit 2025」も同時開催される。

同イベントは日本で初開催となり、地理空間データの専門性を強みとする国際的な非営利団体「Geospatial World」とSPACETIDEの連携によって実現した。宇宙データと地理空間情報が交差することで広がる、新たな産業創出の可能性にもぜひ注目だ。

イベント概要

イベント概要は下記の通り。

なお、参加チケットは6月30日(月)までの購入がお得となっている。ご興味のある方はぜひ、早めのお申し込みをお勧めする。

  • 開催日程
    • プレイベント:7月7日(月) 開催予定(招待制)
    • Day1:2025年7月8日(火) 13:00 - 19:00
    • Day2:2025年7月9日(水) 9:00 - 19:00 (セッション終了後、ネットワーキング)
    • Day3:2025年7月10日(木) 9:00-19:00

※Day1からDay3までの3日間、セッションは日本語・英語の音声通訳または字幕翻訳あり

  • 場所
    • 会場1(受付・セッション・展示):虎ノ門ヒルズフォーラム 〒105-6305 東京都港区虎ノ門1-23-3 虎ノ門ヒルズ森タワー4階・5階
    • 会場2(サイドイベント・ビジネスミーティング):VISION CENTER TOKYO TORANOMON 〒105-0001 東京都港区虎ノ門2-4-7 T-LITE4階・5階
  • お申し込み:SPACE TIDE 2025 公式サイト

参考

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