“NearSpaceからの宇宙旅行” を目指す旅客技術開発会社、岩谷技研は、2022年6月9日に沖縄県宮古島市池間漁港において自社開発の気密キャビンを使った生物実験を実施した
地上と同じ気圧・気温が保たれた気密キャビンに入ったハムスターは、最大高度23kmの成層圏まで飛翔した後、宮古の海上で無事回収に成功し、生還した。
岩谷技研では、2018年に最初の生物実験として熱帯魚のベタを最高高度28kmまで打ち上げ、無事帰還させた実績がある。
今回の実験では岩谷技研が取り組んでいる有人宇宙旅行に向け、地上と同じ環境を維持する気密キャビンを開発し、熱帯魚よりも人間に近い哺乳動物が宇宙空間で快適に過ごせることを証明した。
[実験詳細]
午前8時16分に池間漁港から打ち上げられた気密キャビンは、平均上昇速度6.3m/秒で上昇。約1時間後に最高到達高度23kmに達した後、宮古沖の海上に着水。着水地点にて、待機していた回収班によって無事キャビンは回収された。
計測データからキャビン内環境は実験過程を通じて、酸素濃度23~25%、温度24~29度、内圧970~1030hPaに維持されていたことを確認。キャビン内に設置したカメラには、ほぼ地上と同じ環境の中で、夜行性の動物らしい「すやすや眠るハムスターの姿」が写っていた。
今回の生物実験は、本年2月末に行った低高度有人飛翔試験に続き、岩谷技研が目指す『気球による有人成層圏フライト』実現への大きなマイルストーンとなった。
現在二週間に一度以上のペースでさまざまな実証実験を重ねており、今夏の終わりに予定している中高度飛翔試験(高度 2,000~4,000m)、今年度内の実施を見込む高高度有人飛翔試験(高度15~25km)に向け、さらに実証実験を進めていく予定だという。
企業紹介:
岩谷技研は2016年に設立された、北海道札幌市を拠点とする宇宙ベンチャー企業である。高高度ガス気球と旅行用気密キャビンを開発・製造し、気球による“NearSpaceからの宇宙旅行”を目指し、旅客技術開発を行う。
開発資金調達のため上場に向けて邁進する岩谷技研では、常時リクルーティング活動を行なっている。事務系・開発系共に経験者は優遇されるそうだ。あなたも一緒に夢を追いかけてみてはいかがだろうか。
参考文献: