ダイモン、JALUXから月面輸送ボックス開発を受託|ispaceの2028年月面ミッションに搭載へ
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2026年10月13日、小型月面探査車「YAOKI」などを開発する株式会社ダイモン(以下、ダイモン)は、株式会社JALUX(以下、JALUX)と月面輸送ボックスおよび部材の開発に関する業務委託契約を締結したと発表した。

開発するボックスは、2028年に予定されている株式会社ispace(以下、ispace)の月面着陸ミッションへの搭載を目指す。

本記事では、今回の契約内容と月面輸送ボックスの特徴、今後の開発計画について解説する。

ダイモン、JALUXから月面輸送ボックスの開発を受託

月面輸送サービス「ARGO PROJECT」向けの開発契約

今回の契約により、ダイモンはJALUXから月面輸送ボックス「Möbius Ark(メビウスの方舟)」の開発を受託し、実機の製造に向けた取り組みを本格化する。

JALUXは、航空・空港関連事業などを展開するJALグループの商社である。同社は日本航空(JAL)とともに、地球上の文化や製品を月へ届ける月面輸送サービス「ARGO PROJECT」を進めている。

JALUXは2026年5月、ispaceと2028年に予定される月面着陸ミッション(ミッション3)での貨物輸送サービス契約を締結した。この契約に基づき、JALとJALUXは企業や自治体向けに月面への輸送枠を販売している。

今回ダイモンが開発する「Möbius Ark」は、月面へ運ぶ品物を収納するための専用ボックスであり、ispaceが開発する月面着陸船(ランダー)に搭載される予定だ。

ダイモンが開発するMöbius Arkのイメージ図
Möbius Arkのイメージ図(Credit:株式会社JALUX / 日本航空株式会社, 出典:株式会社ダイモン/PR TIMES)

月面探査車「YAOKI」で培った技術を活用

ダイモンが今回の開発を担う背景には、月面探査車「YAOKI」の開発で培った技術がある。

YAOKIは、2025年3月に日本の民間企業として初めて月面に到達し、月面の撮影に成功した探査車である。ダイモンは探査車本体だけでなく、月面への輸送や放出に関わるシステムも手がけており、宇宙環境に対応するための設計・開発技術を蓄積してきた。

また、2026年1月には、ispaceと月面着陸船に搭載する輸送ボックスの開発検討に関する基本合意書を締結。小型貨物を月面まで安全に輸送し、月面で放出する仕組みの実現に向けて、共同で検討を進める方針を示していた。

月面への貨物輸送では、ロケット打ち上げ時の振動や衝撃、宇宙空間の厳しい環境から搭載品を保護する必要がある。ダイモンは、YAOKIの開発で培った技術や知見を生かし、搭載品を安全に月面へ届けるための輸送ボックスの開発を進める。

小型月面探査車「YAOKI」のイメージ図
小型月面探査車「YAOKI」のイメージ図(出典:株式会社ダイモン/PR TIMES)
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月面輸送サービス「ARGO PROJECT」とは

「ARGO PROJECT」は、地球上で受け継がれてきた文化や人々の営みを、将来の世代へ継承することを目指す月面輸送プロジェクトである。

JALグループは、気候変動や大規模災害、紛争などによって、貴重な文化や人々の営みが失われる可能性があることを、プロジェクトの背景として挙げている。こうした文化を後世に残すため、現代の文化を象徴する品々を月面へ運び、将来の人類が開封するまで長期保管することを構想している。

月面輸送サービス「ARGO PROJECT」
月面輸送サービス「ARGO PROJECT」(出典:日本航空株式会社/PR TIMES)

輸送対象として想定されているのは、地域の特産品や企業を代表する製品、企業の歩みを伝える品などだ。2026年5月27日からは、一般企業や自治体向けに月面輸送枠の販売を開始している。

計画では、集められた品々を月面輸送ボックス「Möbius Ark」に収納し、ispaceの月面着陸船で輸送する。月面への着陸後は、ボックスを設置・長期保管する予定だ。

今後の開発計画

2027年1月末までに設計を検証

ダイモンは、2026年8月から2027年1月末までを開発の第1段階とし、設計の妥当性を検証するためのエンジニアリングモデル(EM)の開発・製造を進める。

開発する「Möbius Ark」の大きさは、約20cm×20cm×10cmと想定されている。内部を複数の区画に分け、異なる品物を収納できる構造とするほか、月面環境に耐えられる素材を使用することで、搭載品を保護する設計となっている。

第1段階では、振動試験や衝撃試験などを実施し、月面輸送に求められる仕様を満たす設計となっているかを検証する計画だ。

2027年12月末までに実機製造、2028年に月面を目指す

2027年2月から同年12月末までの第2段階では、第1段階の試験をクリアした設計に基づき、実際に月面へ輸送する実機(フライトモデル:FM)の開発・製造を進める。

製造後には認定試験を実施し、打ち上げに向けた準備を完了させる計画だ。

「Möbius Ark」は、2028年に予定されているispaceの月面着陸ミッション(ミッション3)で、新型月面着陸船「ULTRA」に搭載される予定である。月面到達後には、ボックスの撮影も計画されている。

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さいごに

今回の業務委託契約により、JALUXとJALが進める月面輸送サービス「ARGO PROJECT」に向けた専用ボックスの開発が本格化する。ダイモンは、月面探査車「YAOKI」などの開発で培った技術を活用し、実機の製造を進める。

月面輸送サービスの実現には、輸送手段の確保に加え、搭載品を保護する機器の開発も欠かせない。今回の契約は、航空業界と宇宙ベンチャーの連携が、具体的な機器開発へと進んだ事例といえる。

今後は、設計の検証や実機の製造・試験を経て、2028年の月面輸送を目指す。開発の進捗とともに、月面輸送サービスがどのように具体化していくのか注目したい。

※開発期間および打ち上げ時期は、2026年10月13日時点の公式発表に基づく予定であり、今後変更される可能性がある。

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参考

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