2023年3月29日、株式会社天地人は、宇宙ビッグデータを活用した、無料の地理情報分析ツール『天地人コンパス』の特設サイトを公開したと発表した。
この記事では、同サービスによってなにができるのか、その概要や機能を紹介する。
天地人コンパスとは
天地人コンパスは、人工衛星のデータを活用して、情報の解析や可視化を無料で行えるプラットフォーム。
農業生産から都市開発など、様々な目的に対応でき、世界中の土地の中から最適な場所を見つけることができる。
得られる情報は衛星画像だけでなく、降水量や地形情報、地表面温度などと幅広い。
さらに、他の地上データや実績データなどを重ね合わせて、複合的に分析することもできるという。
これまでの活用事例
これまで、以下のように幅広い分野で活用されてきた。
中には、内閣府が公募した衛星データの利用に関するプロジェクトにおいて、天地人が豊田市と連携して行い、特許出願技術となった水道管の漏水リスクを評価するプロジェクトもある。
- 「宇宙ビッグデータ米」プロジェクト:宇宙から稲の成長を監視し、美味しいお米の栽培をサポート
- キャンプ場探しプロジェクト:衛星データを使って理想的なキャンプ場を探す
- 水道管漏水リスク評価:衛星データを活用して水道管の漏水リスクを把握
- 気象条件による土地比較プロジェクト:複数の土地の類似性を気象データをもとに評価する
フリープランでも充実した機能
「天地人コンパス」のフリープランは、アカウント登録で誰でも利用可能。
以下の機能が活用できる。
- 地図表示機能:世界中の地図と写真(衛星写真/航空写真)を表示。
- オーバーレイ機能:国土地理院等が公開する地図を重ね合わせて表示(例:地形の凸凹がわかる地図や土壌の性質を示した地図)
- 気象データ表示機能:世界の地表面温度、降水量、日本の日射量をグラフ表示
- メモ機能:地図上にピンを立てて、メモを追加可能(3件まで)
- ファイルインポート機能:別の地図ファイルを、天地人コンパスにインポート可能(フリープランではKMLのみ)
有料プランでできること
「天地人コンパス」はフリープランでも機能が充実しているが、有料プランではさらに便利に。
使用者の課題に合わせて、複数人での管理、顧客情報のアップロード、独自のアルゴリズムなどオーダーメイドでサービスを利用することができる。
さらに、衛星データ解析に強い専門家のサポートも受けられる。サービスを使いこなせる自信がなくても安心だ。
さいごに
天地人の事業は同月、Creww・Google for Startupsが主催するアクセラレータープログラムに採択され、期待が高まっている。
その注目のサービス「天地人コンパス」フリープランは日本語と英語で公開。
推奨ブラウザはGoogle Chrome(PCのみ)となっている。
まずは気軽に触ってみてはいかがだろう。
参考
JAXAベンチャー天地人、宇宙ビッグデータを活用した無料のオンラインGISプラットフォーム『天地人コンパス』の特設サイトを公開