Synspectiveの打ち上げ予定|StriXコンステレーション計画

SAR衛星を活用した地球観測データビジネスは、近年急速に拡大しており、日本企業の中でも、注目されている企業の一つが、株式会社Synspective(以下、Synspective)である。

同社は小型SAR衛星「StriX」シリーズを開発し、将来的に30機規模の衛星コンステレーションを構築する計画を進めている。

本記事では、Synspectiveの衛星打ち上げ実績と、今後の打ち上げ予定スケジュールを整理する。

Synspectiveとは

Synspectiveは2018年に設立された日本の宇宙スタートアップで、SAR衛星データを活用したソリューション提供を主な事業としている。

SAR衛星は電波を利用して地表を観測するため、雲や雨の影響を受けにくく、夜間でも観測が可能である。この特性から、災害発生時の状況把握や地盤変動の監視、インフラの維持管理など、多くの分野で活用が期待されている。

SynspectiveはこのSAR技術を用いた小型衛星「StriX」を独自に開発し、複数の衛星を連携させることで観測頻度を高めるコンステレーションを構築している。

Synspectiveが開発する小型SAR衛星のイメージ画像
Synspectiveが開発する小型SAR衛星のイメージ画像 ©株式会社Synspective

直近の打ち上げ予定

2026年3月9日にSynspectiveは、次の衛星となる8機目のStriX衛星(Eighth StriX)の打ち上げ予定を発表した。

公表されたプレスリリースによると、2026年3月20日午前2時45分(日本時間)から始まる14日間の打ち上げウィンドウの中で打ち上げられる予定となっている。打ち上げは、米国のロケット企業Rocket Labが開発した小型ロケットElectronによって実施される。

Synspective 8号機の打上げ概要
Synspective 8号機の打上げ概要 ©Space Connect

Synspectiveの打ち上げ実績

Synspectiveは、将来的に多数の衛星を連携させるコンステレーションの構築を進めている。

ここでは、これまでに打ち上げられたStriX衛星1〜7号機について、そのミッションの役割や特徴を含めて整理する。

StriX-α(1号機)

StriX-αは、Synspectiveが初めて打ち上げたSAR衛星である。

この衛星は主に技術実証を目的として開発されており、小型SAR衛星の観測能力や通信システム、衛星運用技術などを実際の軌道上で検証する役割を担った。

打ち上げ日2020年12月15日
ロケットElectron(Rocket Lab)
運用状態運用終了

StriX-β(2号機)

StriX-βは、初号機の成果を踏まえて打ち上げられた2機目の衛星である。

この衛星では、SAR観測の安定性やデータ取得能力の向上が図られており、商用サービスを見据えた運用が進められた。

太陽同期軌道を利用することで、同じ地域を一定条件で観測することが可能になり、地盤変動や地形の変化などを継続的に監視するためのデータが取得されている。

打ち上げ日2022年3月1日
ロケットElectron(Rocket Lab)
運用状態運用終了

StriX-1(3号機)

StriX-1は、Synspectiveにとって本格的な商用SAR衛星として位置付けられる衛星である。

この衛星から、コンステレーション構築が本格的な段階へと移行した。従来の衛星からバッテリーの改良とダウンリンク速度の高速化により、取得するデータ量を増やした改良型の衛星になる。

打ち上げ日2022年9月16日
ロケットElectron(Rocket Lab)
運用状態運用終了

StriX-3(4号機)

StriX-3は、Synspectiveが衛星数を増やしていくコンステレーション拡張の過程で打ち上げられた衛星である。

この衛星は、StriX-1と同じ設計をベースに製造されており、衛星の量産体制を確立するための重要なミッションとなった。複数の衛星を継続的に打ち上げるためには、衛星の設計を標準化し、効率的な製造体制を構築する必要がある。

打ち上げ日2024年3月13日
ロケットElectron(Rocket Lab)
運用状態運用中

Fifth StriX(5号機)

Fifth StriXは、Synspectiveの5機目となる衛星である。

Fifth StriXの特徴の一つは、傾斜軌道に投入された点である。この軌道を採用することで、低緯度から中緯度の人口密集地域に観測リソースを集中させることが可能となり、需要の高い地域に対してより高頻度な撮像を行うことができるようになった。

打ち上げ日2024年8月3日
ロケットElectron(Rocket Lab)
運用状態運用中

Sixth StriX(6号機)

Sixth StriXは、SynspectiveのStriXシリーズにおける6機目の衛星である。

Sixth StriXの投入により、衛星コンステレーションはさらに拡張され、災害監視やインフラ管理などの分野における地球観測データの提供能力が強化された。

打ち上げ日2024年12月21日
ロケットElectron(Rocket Lab)
運用状態運用中

Seventh StriX(7号機)

Seventh StriXは、SynspectiveのStriXシリーズにおける7機目の衛星である。

このミッションは「Owl New World」と呼ばれ、Rocket LabのElectronロケットによって打ち上げられた。衛星は約583kmの低軌道に投入された。

Seventh StriXは、StriXシリーズの”第3世代設計”を採用した衛星の一つであり、より高頻度で高解像度の地球観測データを提供することを目的としている。

打ち上げ日2025年10月14日
ロケットElectron(Rocket Lab)
運用状態運用中

さいごに

Synspectiveは、2020年の初号機打ち上げ以降、 StriX衛星の打ち上げを継続し、最終的には30機規模のSAR衛星コンステレーションを構築する計画を掲げている。

多数の衛星を連携させることで、地球上のほぼすべての地域を高頻度で観測できる体制が整い、災害監視やインフラ管理など様々な分野でのデータ活用が進むと期待されている。

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スぺジョブ

参考

自社8機目の小型SAR衛星打上げに関するお知らせ

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