2022年8月18日、アジア最大の衛星通信事業を行うスカパーJSATは、通信衛星「Superbird-9」の打ち上げに関し、米SpaceX社と契約を締結したと発表した。
スカパーは1989年に民間企業として初めて通信衛星を打ち上げ、これまで30機以上の衛星を活用して宇宙ビジネスを開拓。常に20年先の市場環境を見据えて衛星を打ち上げ、最適な衛星通信サービスを市場に提供してきた。
現在は低軌道衛星を含め18機の衛星を保有。その中の、東経144度、36,000km上空で運用中の静止衛星、Superbird-C2の後継衛星としてSuperbird-9を打ち上げる。
打ち上げは、2024年にSpaceXの大型ロケット「Starship」によって行われる。Starshipの、公式な社外衛星打ち上げにおいて最初の契約締結となった。
同ロケットは完全に再利用可能で、地球軌道まで100トンを超えるものを輸送する世界で最も強力な打ち上げロケットとして開発が進められている。2023年には、起業家の前澤友作氏が月面宇宙船ミッションの最初の民間人乗客となることで注目を浴びている。
Superbird-9はフランスのAirbus社が製造する最新衛星バス「OneSat」を使用した衛星。OneSatは、打ち上げ後、宇宙空間でも自由に通信地域や伝送容量を変更可能な「フレキシブル衛星」である。
OneSat型衛星であるSuperbird-9は、日本をはじめとする東アジア諸国において、15年以上にわたり大容量かつ極めて自由度の高い通信を行う能力を有している。
従って、提供する通信サービスは、多様なニーズに対応可能で、顧客の利便性を飛躍的に高める。運用開始は2025年の予定だ。
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