
2026年3月5日11時10分、スペースワン株式会社が開発する小型固体燃料ロケット「カイロス(KAIROS)」3号機の打上げが、和歌山県串本町の専用射場「スペースポート紀伊」で実施された。
本記事では、打上げの結果についてまとめている。
カイロス3号機の打上げ結果
カイロスロケット3号機は打ち上げられた後、ミッション達成困難と判断され、飛行中断措置が取られる結果となった。
同ロケットの打上げは、当初2026年2月25日に予定されていたが、最終的に計3回の延期を経て実施された。
まず、天候不順の影響により2度の延期を余儀なくされた。その後、3月4日に再設定されたものの、カウントダウンが進む中で測位衛星信号の受信状態が不安定となった。これにより安全監視システム(LSC:Launch Safety Control)の安全機能が作動し、打ち上げ直前で緊急停止、翌5日への3度目の延期が決定した。この停止は、異常を検知して事故を未然に防ぐシステムが正常に機能した結果といえる。
こうした安全確認を積み重ねて臨んだ本日の打ち上げであったが、軌道投入への壁は依然として高かった。
カイロスロケットの開発背景と歩み
「カイロス」は、民間企業であるスペースワンが「宇宙宅配便」の実現を目指して開発した、全長約18メートルの小型固体燃料ロケットである。ロケットと専用射場を一体運用することで、小型衛星を迅速かつ柔軟に宇宙軌道へ投入することを目指している。
スペースワンはこれまでに、「カイロス」シリーズの打ち上げを2度実施している。初号機は2024年3月に打ち上げられたが、固体燃料の燃焼速度を実際よりも大きく見積もっていたことが原因とされ、計画どおりの飛行には至らなかった。続く2号機は2024年12月に打ち上げられ、宇宙空間に到達。しかし、センサーの誤信号をきっかけに燃焼ガスを噴出するノズルに異常が発生し、ロケットが飛行経路を逸脱したと説明されている。
こうした2度の打ち上げ結果を踏まえ、今回打上げられたのが3号機であった。実際に打ち上げることで得られたこれまでの飛行データをもとに、設計の見直しや運用面での改善が行われていた。
さいごに
今回の飛行中断に至った具体的な原因については、今後の詳細なデータ解析が待たれる。しかし、前日のLSC(安全監視システム)による自動停止を含め、不測の事態に対してシステムが「安全側」に制御されたことは、確かな技術的成果といえるだろう。
スペースワンは本日15時より記者会見を行う予定だ。ここで飛行中断の詳しい経緯や今後の対策方針が示されるものとみられ、その内容に注目が集まる。
これまで日本の宇宙輸送はJAXA主導の国家プロジェクトが牽引してきたが、現在はスペースワンをはじめ、多くの国内企業が民間独自の打ち上げ成功を目指してしのぎを削っている。この果敢な挑戦の積み重ねこそが、日本の宇宙産業が「官主導」から「民間主導」へとパラダイムシフトを果たすための不可欠なプロセスなのである。
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