2022年10月6日、午前1時00分。宇宙飛行士の若田光一氏は、澄み渡る青空の中、アメリカフロリダ州のケネディ宇宙センターから宇宙へと無事出発した。
若田氏ら4人の宇宙飛行士は、SpaceX社のクルードラゴン宇宙船に乗り、国際宇宙ステーション(ISS)へと向かっている。ISSには、約半年間滞在し、様々なミッションを行う予定だ。
打ち上げを行ったのはSpaceX社のロケット、ファルコン9。Starlink衛星など、商業衛星やNASAの衛星を打ち上げる時にも使用されているロケットだ。
同ロケットは2012年にドラゴン補給船を打ち上げ、軌道投入に成功。2019年には有人打ち上げにも対応するため、信頼性も向上させた。
また、ファルコン9は第1段ブースターが再利用可能な2段式ロケット。今回の打ち上げでは、実際に1段ブースターが着陸する様子も見られた。
本記事では、その打ち上げの様子を画像と共にお届けする。
現地は午後12時。快晴である。
打ち上げ3分前になると、ロケットが動き始めた。クルードラゴン船内の様子も映し出される。
今回のミッションで、若田氏は日本人最多となる5度目の宇宙飛行となる。他3名の宇宙飛行士は、それぞれ初めての宇宙飛行。
コマンダーを務めるニコール・マン氏は、クルードラゴンを指揮した最初の女性となっただけでなく、宇宙に飛んだ最初のネイティブアメリカンの女性となった。
ジョシュ・カサダ氏はパイロットを務める。物理学の様々な学位を取得しているエリートだ。元米海軍のパイロットでもあり、累計飛行時間は4,000時間以上だ。
ミッションスペシャリストを務めるアンナ・キキナ氏は本ミッションでは最年少の38歳、ロシアの宇宙飛行士だ。NASAとロスコスモスの間の座席交換協定の一環として飛行している。現在ロシアの宇宙飛行士の中で唯一の女性である。
ロケット上空からの映像。ファルコン9ロケットは高さ70m、直径3.7mという大きさ。低軌道へは、22,800㎏もの荷物を運ぶ能力を持つ。
遂に発射。映像もゆらめくほどの衝撃である。
発射1分後にはおよそ8㎞上空へ。そしてブースターエンジン点火。
発射から1分50秒後には上空30㎞地点へ。
そして、第1段ブースターの切り離しへ。
下図左が切り離されたエンジン。地上に向け降下している。
着陸までもう少し。
打ち上げから9分36秒後、第1段ブースターが大西洋のダウンレンジに置かれたドローン船に着陸。
一方宇宙では、クルードラゴンが軌道に入り、第二段エンジンから分離。
船内では宇宙飛行士がタッチパネルで操縦。
いかがだっただろうか。筆者は、第一段ブースターが綺麗に着陸したことに非常に感動した。
クルードラゴンは今も軌道上を飛行しており、明日10月7日の午前5時57分にISSとドッキングする予定だ。さらに、ハッチオープンは午前7時42分頃に予定されている。
JAXAをはじめ、様々なチャンネルで中継されるので、ぜひご覧になってみてはいかがだろう。
若田氏のISSでの活躍が楽しみだ。