欧州衛星スタートアップFOSSA、日本の防衛市場参入へ|兼松と販売契約締結
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2026年4月17日、兼松株式会社(以下、兼松)は、スペインの宇宙関連スタートアップ企業である FOSSA Systems, S.L.(以下、FOSSA)と、日本国内における独占的な代理店契約を締結したことを発表した。

本記事では、兼松とFOSSAの提携内容を整理するとともに、FOSSAが防衛分野で注目される理由について解説する。

兼松とFOSSAの代理店契約の概要

今回の契約により、兼松はFOSSAが保有する超小型衛星コンステレーションおよび関連通信技術を日本市場で展開する。とりわけ防衛宇宙分野において、防衛省をはじめとする政府機関・関連産業への提案活動を本格的に推進していく方針だ。

FOSSAは、複数の超小型衛星を連携させて運用するコンステレーションを構築しており、低コストで広域かつ高頻度の通信やデータ取得を可能とする。今回の契約を通じて、こうした技術の日本国内への展開が進められる見通しだ。

なお、FOSSAは今後、ヨーロッパ以外では初となる拠点を品川に開設し、日本を足掛かりとしてアジア太平洋地域全体でのプレゼンスを拡大していく予定としている。

FOSSAの超小型衛星
FOSSAの超小型衛星(兼松のPR TIMESリリースより引用)
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FOSSAが防衛分野で注目される理由

1|防衛分野で求められる機能に対応

FOSSAの衛星は、複数機を連携させて運用するコンステレーションを用いることで、低コストかつ高頻度での通信やデータ取得を可能とする。主な活用用途として、以下のようなものが期待されている。

  1. 防衛・安全保障分野におけるセキュア通信・信号情報収集(Signal Intelligence: SIGINT)
  2. 遠隔地・海洋・山間部における広域通信インフラの補完
  3. 産業分野(物流、エネルギー、インフラ監視等)におけるIoT・リモートモニタリング

これらの用途に共通するのは、地上通信網が十分に整っていない環境でも、広い範囲で継続的に通信やデータ取得を行える点にある。特に防衛・安全保障分野では、安全な通信手段の確保に加え、電波や通信の発信元、頻度、種類などを分析して相手の活動状況を把握する「信号情報(SIGINT)」も重要となる。FOSSAの技術は、こうした通信基盤や情報収集基盤の構築につながる可能性がある。

2|地上設備も含めた一体型の通信ソリューションを提供

FOSSAは、超小型衛星とあわせて関連する地上設備や運用システムを一体で提供しており、導入側が自社設備として独立運用できる構成を採用している。

外部インフラへの依存を抑えながら、自ら通信・情報基盤を管理できる点は、防衛・安全保障分野において重要な要素となる。

3|防衛宇宙分野での存在感の高まり

FOSSAは、NATOの防衛イノベーション支援プログラム「DIANA」の参加企業の一社に選定されており、防衛分野で活用可能なデュアルユース技術を持つ企業として評価を受けている。

加えて、2026年4月には25機目の衛星打上げ成功が伝えられており、衛星の軌道投入と運用を積み重ねてきた実績もうかがえる。

こうした外部評価と実運用の積み上げを背景に、同社は通信や信号情報分野を軸に、防衛・国家安全保障領域での活用が期待される存在となっている。

さいごに

今回の契約は、兼松にとっても、防衛・宇宙分野での提案力を強化する動きの一つと位置付けられそうだ。

海外の新興宇宙企業が持つ技術を日本市場に橋渡しし、どのように具体的な案件形成につなげていくのか、今後の展開が注目される。

本稿で紹介した兼松は現在、宇宙事業で人材を募集している。興味のある方は、業界特化型の人材マッチングサービス「スぺジョブ」をぜひチェックしていただきたい。

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参考

兼松、スペイン発宇宙スタートアップ「FOSSA Systems」と国内代理店契約を締結(2026-04-19閲覧)

FOSSA 公式Webサイト(2026-04-19閲覧)

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