【2026年3月最新版】ispaceの打ち上げスケジュールまとめ|計画を時系列で解説

民間企業による月面輸送ビジネスを目指す株式会社ispace(以下、ispace)は、現在、複数の月面ミッションを段階的に進めている。

本記事では、ispaceによるこれまでと今後のミッションについて、概要や打ち上げスケジュールを整理する。

直近の打ち上げ予定

ispaceによる次の打ち上げ予定は、日本のSBIR制度による最大約120億円規模の補助金とJAXAによる宇宙戦略基金第1期を活用し、日本拠点にて開発されているMission3である。2028年に予定されている。

本ミッションは元々ミッション4として計画されていたが、2027年に予定されていた「TEAM DRAPER Commercial Mission 1」の打上げが2030年に延期となったことで、新ミッション3として設定された。

このミッションでは、シリーズ3ランダーが使用される予定であったが、2026年3月27日に発表された2種類のランダーの統合により、新モデル「ULTRA(ウルトラ)」が使用される予定だ。

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ispaceの打ち上げスケジュール

ispaceの打ち上げスケジュールと、各ミッションの概要は以下の通りである。

ispaceの新しいミッションマイルストーン
ispaceの新しいミッションマイルストーン ©ispace

Mission1

Mission1は、ispaceにとって初の月面着陸を目指した実証ミッションである。月周回軌道への投入までは成功したが、着陸フェーズにおいて高度推定に関する問題が発生し、最終的に軟着陸は達成されなかった。

一方で、深宇宙航行、通信、運用など多くの技術的成果が得られたことから、Mission1は月面輸送技術の基盤を構築する重要な実証ミッションとなり、後続のMission2以降へと知見が引き継がれた。

  • 打ち上げ日:2022年12月11日
  • ロケット:Falcon 9
  • ミッション開発国:日本

Mission2

Mission2は、Mission1で確認された課題を踏まえ、改良型ランダーによる月面着陸を目指して実施されたミッションである。Mission1の運用データをもとに、航法やシステム面の見直しが行われ、より確実な着陸の実現が期待されていた。

しかし、Mission2においても最終的な月面軟着陸の達成には至らず、計画どおりの成果を得ることはできなかった。結果として、ispaceの月面着陸挑戦は次のミッションへ持ち越される形となった。

  • 打ち上げ日:2025年1月15日
  • ロケット:Falcon 9
  • ミッション開発国:日本

新Mission2.5

Mission2.5は2027年に予定されている、ispace初の月周回衛星打ち上げミッションである。

ispaceは新事業として、月周回衛星を順次投入することにより、月面および月周回空間において通信および測位機能を提供する「ルナ・コネクトサービス」や、月面や宇宙空間の観測・監視を行うデータサービスを構想。

同社は両サービスの市場規模について、2040年代に年間4,500億円に成長すると見込んでいる。

新Mission3

Mission4は、2028年に予定されている、日本のSBIR制度による最大約120億円規模の補助金とJAXAによる宇宙戦略基金第1期を活用して進められているミッションである。日米で並行して開発されていた2種類のランダーが統合されたモデル「ULTRA」が使用される計画である。

搭載予定のペイロードとしては、東京科学大学による月周回衛星関連の機器や、台湾国家宇宙センター(TASA)による観測機器などが検討されており、国際的な研究プロジェクトとしての側面も持つ。

新Mission4

元々Mission6として設定されていたミッションであり、上限約200億円規模の支援が想定される日本の宇宙戦略基金(SSF2)に採択されたプロジェクトとして開発が進められている。

また、欧州宇宙機関(ESA)との間で締結している先端地球物理学および極域氷探査ミッション(MAGPIE:The Mission for Advanced Geophysics and Polar Ice Exploration)の一部としても位置付けられており、フェーズ2の予算として合計約119億円規模が確保される見込みである。

ULTRAランダーが使用される予定で、月極域への高精度着陸を目指す計画だ。月面輸送サービスを継続的に実施する体制の中で、より高度な探査や国際プロジェクトへの参加を視野に入れた段階のミッションとなる。

打ち上げは2029年の予定だ。

新Mission5

元々Mission3として計画されていたミッションであり、チャールズ・スターク・ドレイパー研究所が主導するチーム“Team Draper”のCommercial Mission 1として実施される計画である。NASAの商業月面輸送プログラム(CLPS)のTask Order CP-12に採択されており、複数の顧客の機器を月面へ輸送する商業ミッションとして位置付けられている。

米国で開発されていたAPEX 1.0ランダーが使用される予定であったが、ランダ―に搭載予定であった米Agile Space Industries社のエンジンの開発遅延により、新たな代替エンジンの採用と、日本が開発していたシリーズ3ランダーモデルとの統合が決定された。

これに伴い、当初2027年に予定されていた打ち上げも2030年に延期となっている。

さいごに

今後、各国による月面探査や資源利用の動きが進めば、物資輸送の需要は拡大していく。ispaceは複数のミッションを段階的に、同時進行で進めており、打ち上げと着陸を重ねながら技術と運用体制を磨いていく設計である。こうした戦略を通じて、日本発の民間企業が月面市場に参入し、事業基盤を築いていけるのかが問われている。

本記事ではispaceの各ミッションにおける打ち上げスケジュールをご紹介したが、こうした段階的な開発を進める中で、打ち上げ時期が変動する可能性は常に存在する。

特に月面ミッションでは、軌道条件、天候など、複数の要因が影響する。また、安全性や信頼性を確保するために試験を追加する判断が行われることもある。そのため、延期そのものを短絡的に評価するのではなく、技術を着実に積み上げる過程として捉える視点が求められる。

打ち上げ時期だけでなく、準備段階で何が確認され、どの課題が解消されたのかを見ることが、企業の実力を測る上でより重要である。

ispace含め宇宙業界では現在、様々な企業がサービスの商用化を進めている。本業界での仕事に興味のある方は、業界特化型の人材マッチングサービス「スぺジョブ」をぜひチェックしていただきたい。

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参考

ispace 公式サイト(2026-02-20閲覧)

ispace、日米ランダーを統合した新モデル「ULTRA(ウルトラ)」を発表(2026-03-29閲覧)

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