地上から宇宙を支える通信のプロフェッショナル!三技協イオスとはどんな企業?
©Space Connect株式会社

宇宙ビジネスと聞くと、目を引くのはロケットや衛星といった話題かもしれない。だが、それらを確実に機能させるために欠かせないのが、地上から支える“通信”インフラの存在だ。

この領域で、長年にわたって宇宙の現場を支えてきたのが三技協イオス。親会社である三技協グループの技術基盤をもとに、通信インフラや無線技術を武器に、宇宙分野でも確かな実績を積み重ねてきた。

本記事では、三技協イオスの宇宙事業への取り組みについてご紹介する。

三技協イオスとは

企業の概要

三技協イオスは、神奈川県横浜市に本社を置き、通信インフラの設計・構築から保守・運用までを担うエンジニアリング企業だ。

親会社である株式会社三技協は、1960年創業の老舗通信企業。無線通信やネットワーク分野で長年にわたり実績を積み重ねており、KDDIやソニー、ソフトバンク、NECなど、日本を代表する通信・IT企業とも幅広く取引している。

三技協イオスは、こうしたグループの技術基盤を活かしながら、社会・防衛・宇宙といった高度なインフラ領域で事業を展開している。

国・社会・宇宙を支える通信技術

同社の事業は、大きく3つの軸で展開されている。

  • 社会を守る:防災行政無線や公共インフラの通信整備など、地域社会の安全を支える取り組み
  • 国を守る:防衛分野における通信ネットワークの構築・保守、セキュアな情報インフラの整備
  • 宇宙から守る:衛星通信システムや地上局設備の設計・施工、宇宙関連プロジェクトへの技術提供

「社会を守る」領域では、自治体や官公庁向けに防災行政無線や情報通信インフラを提供。地震や水害といった災害発生時に、住民に正確な情報を迅速に届けるための通信基盤を整備している。

「国を守る」領域では、自衛隊の通信機器・ネットワークに関する業務や、防衛省ビル内の中央指揮システム(統幕ネットワーク)の保守・運用・監視業務、航空自衛隊のF-15戦闘機に搭載される航空電子機器の整備などを担当。

また戦闘機やミサイル等の監視や航空機等への指揮命令を行う自動警戒管制システム(JADGE)や、その作戦運用に必要なネットワークシステムである作戦用通信回線統制システム(TNCS)など各種衛星通信システムの整備等にも携わっており、安全保障分野における宇宙との接点でも重要な役割を担っている。

そして、「宇宙から守る」領域では、衛星通信システムの構築や地上局設備の整備、人工衛星の追尾・監視運用、ロケット打ち上げ支援、宇宙機器の製造・試験など、宇宙開発の広範な工程に長年関わってきた実績がある。

次章では、同社が宇宙産業の中でどのような役割を果たしているのか、その技術や取り組みについて紹介していく。

三技協イオスの宇宙インフラを支える技術力

三技協イオスは、人工衛星やロケットに関するさまざまな工程で、宇宙インフラの根幹を支えてきた。単に特定の機器や業務を請け負うのではなく、製造・試験・整備・運用など幅広い分野の技術に精通しており、その関与領域の広さは非常に注目すべきポイントである。

たとえば、以下のような分野において長年の実績を積み上げている。

三技協イオスの宇宙事業の例
三技協イオスの宇宙事業の例 ©Space Connect株式会社

まず「製造系業務」としては、人工衛星や探査機のの各種センサー、テレメトリ・コマンド系機器、姿勢制御装置、大型アンテナ、太陽電池パドルなど、人工衛星の中核を担う機器の製造・整備に対応。衛星や探査機本体の製造にも携わっている。

次に、人工衛星や惑星探査機が宇宙空間の極限環境でも正常に動作するかを確認する「宇宙環境試験」の業務も担っている。真空、高温、極低温といった環境を再現する設備を備え、長時間にわたる動作検証を行っている。

そして、「ロケット打ち上げ支援 」では、H-IIAやH-IIBなど基幹ロケットの機体の打ち上げ前整備や、設備総合試験、運用支援などに関与。打ち上げ当日の運用にも携わる。

さいごに、衛星が所定の軌道上にあるか、異常がないかを常時確認・制御する「衛星の追尾・監視・運用 」も行っている。これまで、日本版GPSを提供する準天頂衛星「みちびき」、金星探査機「あかつき」、深宇宙探査機「はやぶさ2」などの運用に携わっている。

これらはすべて、宇宙を支える通信と機器のプロフェッショナルとしての強みがあってこそ成り立つ仕事だ。

防衛や災害対応といった高い信頼性が求められる領域と共通する技術要素も多く、それぞれの現場で培った知見が相互に活かされているのだろう。

宇宙技術で”縁の下”を支える存在

ロケットや衛星といった最先端の宇宙開発には、通信・整備・運用といった、見えにくくも極めて重要な技術や人の力が欠かせない。

三技協イオスは、まさにその“縁の下”を担う存在だ。人工衛星の搭載機器製造から、地上局の整備、ロケット打ち上げ支援、そして衛星の追尾・監視・運用まで、宇宙インフラを日常的に支え続けてきた。

そして、こうした技術は宇宙領域への利用だけではなく、たとえば気象観測や災害時の通信確保、測位システムによる位置情報の提供、防衛や安全保障の強化といった領域で私たちの社会を見えないところで支えている

宇宙を通じて暮らしの安全や利便性を高める。そんな使命の一端を、確実に担っているのだ。

さいごに

いかがでしたか。

同社の事業は防衛や防災といった高い信頼性が求められる分野にも幅広く関わっており、その技術力と対応力は、「宇宙×防衛」「宇宙×防災」「宇宙×通信」など、今後の宇宙活用が拡大していく領域でも大きな価値を発揮していくだろう。

また、三技協イオスは現在、複数のポジションで人材を募集している。

同社は大手通信事業者や宇宙関連機関との取引を通じて確かな信頼と技術力を築いてきた。安定した環境のなかで通信の基礎から応用までを学び、宇宙分野のプロジェクトに挑戦できるフィールドが整っている。

興味のある方はぜひ、航空宇宙分野に特化した人材紹介サービス「スペジョブ」をチェックしていただきたい。同サービスでは、無料のカジュアル面談も実施している。

あなたの経験が、宇宙と社会を支える力になる日が来るかもしれません。

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参考

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