2022年9月12日、株式会社Agrieeが、衛星データを活用した作物の生育評価システム「GrowthWatcher」をリリースした。
「GrowthWatcher」は、衛星データを活用し、圃場の状況を可視化・確認することができるシステム。いつもと違う状況が確認された際にはアラートを発出、お知らせする。
圃場の作物の生育状況のモニタリングを行うシステムは、日本ではまだあまりない。中でも、大規模な圃場を対象にするものではなく、点在する多くの中小の圃場を管理する人に焦点を当てたものは国内で初めてだという。
このGrowthWatcherについて書いていくにあたって、まずは株式会社Agrieeについて紹介しよう。
株式会社Agrieeについて
株式会社Agrieeは2019年7月に設立された。代表は鈴木千夏氏。
「人と、地球の、未来を。ずっと」を企業理念に、人と地球の共生を目指し、食糧問題、環境問題を解決に導くためのサービス開発、農業現場での技術支援等を行う会社だ。
より具体的には、農業に係るコンサルティングや、生育評価システム「GrowthWatcher」の開発・運営を行っている。SDGsな社会の実現に貢献するため、日々、努力を続けている。
GrowthWatcher開発の背景
代表の鈴木氏は元々農業コンサルとして働いていたが、その中で圃場の管理に問題があることに気づく。
畑に植えられた作物の状況確認は人の目によって行われていることが多いため、頻繁に現場に足を運ばなくてはならない。
圃場を管理する人の中には、大規模な圃場を一つ持つ場合もあるが、あちこちに点在している中小規模の圃場を管理する場合も多い。
このような多くの圃場を管理する大規模生産法人では、状況確認飲みでも、多くの労力、コストをかけなくてはならない現状があるのだ。
また、人の目によって状況確認がされていると、「誰が見るか」によってその判断が大きく変わってしまう。
経験豊富な生産者であれば、その時々で正確な判断を行うことができるが、経験の浅い若手生産者にとっては至難の業。できるようになるまでには相当の年月を要する。
その解決策として、衛星データを活用した生育評価システムGrowthWatcherが開発された。
GrowthWatcherが提供するものとは
GrowthWatcherが提供するものは大きく分けると2点。
- 従来の圃場見回り業務における労力・コストの削減
- データ活用型の農業を実施したいと考える人たちへのサポート
である。
GrowthWatcherは、衛星データの活用により、作物の生育状況を定量的に数値化して表示する。労力をかけることなく、2~3日に一度、畑の状況を確認することができる。
状況把握は、地域、作物、栽培時期などそれぞれで実施。現実に即した判断を行うことが可能だ。
地域や気象条件によっては、畑だけでなく、エリアとしての状況把握も可能なため、集出荷、購買に関わる業務の効率化にも役立てることができる。
開発における思い
「大切な畑を宙から優しく見守ることで皆さんのお役に立ちたい」GrowthWatcherはそんな思いで開発された。
Agriee開発チームは、以下のように述べている。
高齢化が進み、今後の農業界を支える若手生産者の育成が急務とされる今、彼らの成長をサポートできる手軽なツールを作りたい、との思いから「GrowthWatcher」の開発をスタート、今回のリリースに至りました。開発の過程で、ご協力くださったユーザーの皆様が、こちらの想定もしていなかった使い方をご提案くださる、という場面も多々あり、その可能性の大きさに開発サイドも驚いているところです。生産者をはじめとした農業に関わる皆様の、様々な問題の解決のために「GrowthWatcher」がお役立ちできるよう、改良を続けてまいります。
衛星技術を農業へ!衛星データを活用した作物の生育評価システム「GrowthWatcher」をリリース
今後の展開
現在は、生産者を支援する立場にある皆様(自治体様、JA様、商社・外食・中食企業様など)にご活用頂くための「GrowthWatcher for masters」の開発を進めているという。
支援者が「GrowthWatcher for masters」を活用することで、生産者とリアルタイムに畑の状況を共有。
これにより、より効率よく、より手軽に双方のコミュニケーションが可能になる。
鈴木氏は農業コンサルティングを経験していることにより、農業分野における様々な課題を把握している。
「GrowthWatcher」や「GrowthWatcher for masters」は現場のニーズにしっかり応え、そのような課題を解決するサービスになっているだろう。
興味を持った方は下記ホームページから気軽にお問い合わせしてみてはいかがだろうか。
参考: