2024年12月2日、ASTRO GATE株式会社は事業直結型宇宙コンサルティングサービスの提供を開始することを発表した。
このサービス開始に伴い、株式会社野村総合研究所で官民多数の宇宙関連プロジェクトを手掛けてきた原田悠貴氏が、最高執行責任者(COO)兼最高戦略責任者(CSO)として同社に着任する。
本記事では、ASTRO GATEと、同社が手掛けるサービスの魅力についてご紹介します。
目次
ASTRO GATEとはどんな企業?
ASTRO GATEは、世界初となる複数のスペースポート(宇宙港/射場)の企画運営を主に手掛ける企業だ。
強みは以下の4つ。
- コストパフォーマンス:複数のスペースポート運営を一社で担うことによる経済的な運営
- 高度なスキル:複数のスペースポートでの経験を活かした質の高いサービス提供
- 多様な打ち上げに対応:発射場所(地上/海上/空中)、ロケットエンジン(液体/固体/ハイブリッド)、方向(垂直/水平)など、あらゆるロケットタイプの打ち上げの実績
- 豊富なコネクション:世界中の宇宙産業とのネットワークを活かした、円滑な企業誘致と多方面からの協力体制
これらの強みを活かし、同社はスペースポートとその周辺地域開発を、ソフト・ハード両面からサポート。
スペースポートの設計・運営・プロモーションをはじめ、衛星活用や新規宇宙事業のコンサルティング、観光・教育・飲食を含む都市開発、宇宙機器、貿易、地域活性化など、多岐にわたる分野で事業を展開しているのだ。
ASTRO GATEによるコンサルサービスの魅力
ASTRO GATEは今回、国内外の市場向けに「事業直結型宇宙コンサルティングサービス」の提供を開始した。
このサービスは、宇宙分野への新規参入を目指す企業に対し、調査・分析や参入戦略の検討から事業の実行支援まで、包括的なサポートを提供する。
魅力となるポイントは次の3つ。
- 事業直結型の支援
- 予算に優しい価格設定
- 実務専門家としてのスキルと経験
1. 事業直結型の支援
調査におけるヒアリング情報に加え、同社が日頃から様々な業種と連携する中で得たインサイトを提供し、具体的で実践的なサポートを実施する。
さらに、共同開発した新規事業は、ASTRO GATEが運営するスペースポートでのロケット打ち上げや関連イベント、まちづくりなどへの展開も可能だ。
2. 予算に優しい価格設定
オフィスや営業、広報活動を最低限に抑え、少数精鋭で実働人材の比率を高めることで、高品質なサービスを業界最高の費用対効果で提供する。
また、低予算・短納期の要望にも、機動的かつ柔軟に対応可能となっている。
3. 実務専門家としてのスキルと経験
ASTRO GATEは、スペースポートとまちづくりの実務を通じて、多様な業種との連携実績を積み重ねてきた。さらに、CEOの大出大輔氏は、大企業での新規事業開発経験に加え、多数の特許取得や、内閣府主催の宇宙ビジネスアイデアコンテストにおける受賞歴があり、企画力も併せ持つ。
そこに、野村総合研究所出身の原田氏が持つ豊富な経験と包括的な宇宙産業に関する知見も加わることで、新規事業における推進力を強化。顧客ニーズに応じた独自のコンサルティングを提供する。
野村総研からASTRO GATEに!原田悠貴氏にインタビュー
今回SPACE CONNECTでは、ASTRO GATEの新COO/CSOに就任する原田悠貴氏に独占インタビューを行った。
原田氏は、野村総合研究所で宇宙分野を中心に、不動産や金融など多岐にわたる分野での大手企業・政府機関向けコンサルティング業務に従事。新規事業戦略策定や政策検討に加え、法学専攻のバックグラウンドを活かした法規制関連の支援も手掛けてきた。
また、業界専門誌での執筆や業界イベントでの登壇、宇宙ビジネスメンターとして国内外のスタートアップ支援にも携わっている。
入社理由は「業界貢献性」と「唯一性」
原田氏は、キャリアの選択肢を検討し、様々な業界関係者と対話を重ねる中で、ASTRO GATEの革新的な取り組みとその実現性の高さに惹かれて入社を決意したという。
原田氏は、同社の魅力についてさらに以下のように語った。
ASTRO GATEの魅力は大きく2つあります。
1つ目は宇宙産業への貢献度の高さです。
ロケットもそうですが、射場は宇宙産業の根幹となっています。射場でロケットを打ち上げることによって、初めて衛星を軌道に乗せたりと、産業を展開していくことができます。
そういった観点に立つと、日本が自国内で射場運営の技術を有していることは大きな強みになりますし、いずれ打ち上げ需要が増大した際に射場が整備されていないと、国としてもロケット会社としても大きな機会損失になる訳です。
日本の、そして世界中の宇宙産業を大きくするうえでスペースポートは非常に重要な役割だと感じており、ここから始められることに大きな可能性を感じています。私自身これまで宇宙産業に関わり、今後より一層宇宙業界に貢献したいと思う中で、産業の根幹に携わることができるのはまずとても魅力です。
2つ目は、世界を見渡しても、私たちと全く同じ事業を展開している企業がほぼ存在しないということです。
現在、射場の設計や運営は主にロケット開発事業者が手掛けており、宇宙港/射場の運営を専門的なメイン事業として運営する会社はごくわずかです。特に、複数の、そして世界中の宇宙港/射場を対象としている企業は唯一無二といっても過言ではありません。
宇宙業界には、衛星製造企業や月面着陸を目指す企業など、すでに先駆者が存在する分野が多くあります。しかし、弊社の事業は他に類を見ないため、世界のパイオニアとなれるのです。この点に、私は大きな可能性と面白さを感じています。
射場におけるロケットの打ち上げ頻度や安全管理への信頼性、打ち上げ可能なロケットの多様さ、他産業や近隣住民に対する巻き込み力…等々、射場の在り方で産業全体のイメージや信頼度は大きく変わる。
ASTRO GATEの事業は、産業における重要性を持ちながら、世界でもあまり前例のない独自の取り組みという魅力を持つ。そして、その革新的な事業を確実に実現させる、CEO 大出氏の経験と推進力が、同社の大きな強みとなっているのだろう。
「目標思考」と「行動力」を強みに宇宙産業を盛り上げる
原田氏は、ASTRO GATEの今後の展望と、それを実現するための自身の強みについて、以下のように語った。
まずはコア事業である世界中のスペースポートの運営をしっかり行っていきます。
やはりスペースポートというのは宇宙産業におけるサプライチェーンの根幹ですし、国を挙げての一大プロジェクトの1つにもなるところもあります。ですので、計画を立てておしまいではなく、計画から運営、そしてその後の発展まで全てのフローを支援して、国と地域の産業を盛り上げていきたいです。
私が考える自身の強みに「目標思考」と「行動力」があり、目標に対して適切な道筋を立てて、それから心理的なハードルを無くしつつ極限まで最短で実行に移すことができます。これらを活かして、様々な事業者・企業を巻き込みながら確実に事業を進め、ビジネスを加速させていきたいと考えています。
ASTRO GATEは宇宙業界の専門性を有しながら、世界各国およびあらゆる産業とのネットワークを構築している。そこに宇宙業界のフロントランナーとして実績を積んできた原田氏が加わることで、国内外の宇宙産業の発展を牽引していく。
また、この独自のポジショニングを持つ同社だからこそ、他社にはない、地に足の着いた、着実に前に進めていく宇宙コンサルティングの展開が期待されるのだろう。
さいごに
いかがでしたか。
ASTRO GATEは今回、サービス開始を記念して、宇宙産業およびスペースポートに関するレポートを無料配布している。
レポートでは、宇宙ビジネスの全体像や、各ビジネス領域の詳細やプレイヤー、スペースポートビジネスに関する国内動向が整理されているので、ご希望の方はぜひこちらのフォームからお申込みいただきたい。
また、同社は現在、宇宙業界に特化した人材マッチングプラットフォーム「スぺジョブ」に求人情報を搭載している。
同社の働き方に興味のある方は、ぜひこちらをご覧いただきたい。